1999 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロスフェアーを用いた経口感作増強型ワクチンの免疫化機構の解明
Project/Area Number |
11672285
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
内田 享弘 武庫川女子大学, 薬学部, 助教授 (70203536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松山 賢治 武庫川女子大学, 薬学部, 教授 (00117251)
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Keywords | ワクチン / インフルエンザ / HBc抗原 / マイクロカプセル / HA1 / W / O / W |
Research Abstract |
各種ウイルス性疾患に対する安全でかつ有効なワクチンの数は少ない。遺伝子組換え型HBc抗原とインフルエンザワクチンとして近年注目を浴びている水溶性ペプチドのHA抗原に着目した。HA1抗原の変異部位137-147残基を含む領域Aと領域Bの半分をカバーするペプチドを対象とし、さらにヘルパーT細胞(Th)に抗原の提示ができるエピトープ(120-139)も含めて35残基(120-154)のペプチドを合成してモデル抗原とした。研究代表者は上記2種の抗原について浸透圧を利用したW/O/W型複合エマルション溶媒留去法により、組換え型ヒトB型肝炎コア抗原粒子(以下HBc抗原と略)をモデル抗原として、生体分解性のポリ乳酸グリコール酸共重合体(以下PLGAと略)中に高封入率・高収率で封入することを試みた。従来のカプセル化法ではHBc抗原は分子量360万の水溶性巨大分子であり、マイクロスフェアー化の際に使用される塩化メチレンなどの接触により瞬時に失活した。そこで水溶性のゼラチン、シクロデキストリン、ポリエチレングリコールなどの水溶性添加剤共存下、HBc抗原を安定にマイクロカプセル化できるものをスクニーニングしたところ、分子量数万〜10数万の分子量を持ったゼラチンが特に安定化効果が優れていることが分かった。一方、35塩基のペプチド(FISEG FTWTG VTQNG GSNAC KRGPD SGFFS RLNWL)を純度85.0%で合成した。合成ペプチドに還元型グルタチオンなど還元剤を添加すると長時間安定に保つことができた。なお合成HA1抗原のin vivo評価についても合わせて検討する。合成ペブチドの安定性評価は逆相HPLC、SECならびにレーザー脱離イオン化法により分解や多量体の分析を行った。合成ペプチドに還元型グルタチオンなど還元剤を添加すると長時間安定に保つことができた。なお合成HA1抗原のカプセル化とin vivo評価についても合わせて検討中である。
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