1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11672299
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
岡部 紘明 熊本大学, 医学部, 教授 (20185466)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇治 義則 熊本大学, 医学部, 助手 (90203512)
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Keywords | キャピラリー電気泳動法 / 感染症 / 分析技術 / 肝炎 |
Research Abstract |
一般に感染症項目は抗原抗体反応により測定されている。抗原抗体反応は単なる標識反応であり結合は物理的結合に依存し、本来の反応は短時間で終了するものと考えられる。すなわち、抗原抗体複合物を反応系内から迅速かつ高感度直接的検出できれば極めて短時間に抗原あるいは抗体の検出が可能である。検知可能な測定法としては(1)分子量変化(複合体形成による高分子化)(2)表面電荷の変化(3)抗体の補体活性部位の活性化(4)抗体分子の構造変化等が考えられるが、(2)〜(4)については現状、具体的な直接測定法は開発されていない。(1)についてはカラム法、HPLC法、SDS-PAGE法等があるが手技の煩雑さやランニングコストの面で一般的臨床検査法としては無理がある。そこで、簡便迅速なる方法としてキャピラリー電気泳動法による分析法の確立を研究した。まず、HBs抗体の測定法の確立を目的とし抗体の選択、電解液の選択、印加電圧の変化による試料分子の構造変化、分析パソコンソフトの検討などの基礎的検討を行い、カラムは75μm X20cmの溶融化シリカキャピラリ-カラム、電解液はホウ酸緩衝液(100mmol/l,pH10.0)、第1抗体は抗HBsモノクローナル抗体(日本バイオテスト研究所No.303-06801)を50μL(0.05mg/test/10mmol/l リン酸緩衝液、pH7.2に溶解)、第2抗体はFITC標識した抗マウス抗体100μL(0.075mg/test,和光純薬工業,No.012-17531、第1抗体と同様の緩衝液に溶解)および血清50μLを混和後37℃で5分加温したものを試料とし、20nLをキャピラリーカラムに導入し、10kVの電圧を印加ことにより、未反応の抗体のピークとは別のピークとして抗原抗体反応の生成物のピークを約3分で検出することができた。本法のピーク面積から求めたHBs抗体測定値と既存EIA法(アキシムアナライザー法、ダイナボット社)とは良好な相関が認められた(r=0.896)。現在、本法の基礎的評価をさらに進めるとともに臨床的評価を継続研究中である。
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Research Products
(1 results)