1999 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄腫に対する造血幹細胞移植時の微少残存病変の検出とその対策
Project/Area Number |
11672301
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
稲葉 亨 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (60203204)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島崎 千尋 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (50170931)
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Keywords | 多発性骨髄腫 / 自家末梢血造血幹細胞移植 / 微少残存病変 / フローサイトメトリー / 抗IL-6受容体抗体 / bisphosphonate製剤 / アポトーシス |
Research Abstract |
1)多発性骨髄腫患者に対する末梢血造血幹細胞採取における腫瘍細胞の検出 自家末梢血造血幹細胞移植(ABSCT)目的で末梢血幹細胞採取(PBSCC)を施行した進行期の多発性骨髄腫患者5例において、末梢血幹細胞浮遊液中に混在しうる骨髄腫細胞(CD38強陽性/CD138強陽性)の定量を二重染色フローサイトメトリーにて行ったところ、5例中3例では0.5%未満であった。このうち1例はABSCT後約2年間progression-freeを維持しているが、1例は移植後早期に再発しており、移植前処置としての超大量抗癌化学療法が無効であった可能性が示唆され、より強力な移植前処置法の開発が必要と思われた。一方、末梢血幹細胞浮遊液中に約0.4%の骨髄腫細胞が混入していた症例でも移植後早期に再発を来しており、混入腫瘍細胞が再発源となりうる可能性が示唆された。 2)実験的MRDに対するアポトーシス誘導治療 ABSCT併用超大量抗癌化学療法後も残存しうる骨髄腫細胞に対する新たな治療戦略として、抗Interleukin-6受容体抗体、bisphosphonate製剤あるいはall-trans retinoic acidが有効であるかどうかを、骨髄腫細胞株(KPMM2,RPMI8226,U266)を用いてAnnexin-Vと7-aminoactinomycin D(7AAD)による二重染色フローサイトメトリーで検討したところ、ヒト型化抗Interleukin-6受容体抗体hPM1や第三世代bisphosphonate製剤YM529は骨髄腫細胞株に対して明らかなアポトーシスを誘導することが判明した。
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