2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11672310
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
伊藤 正俊 東邦大学, 医学部, 教授 (10057698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 弥生 東邦大学, 医学部, 助手 (60256758)
石川 文雄 東邦大学, 医学部, 講師 (10130345)
竹内 吉男 東邦大学, 医学部, 講師 (40130372)
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Keywords | 薬剤アレルギー / 薬剤芽球化試験 / インターロイキン2 / RT-PCR法 / 感作T細胞 |
Research Abstract |
昨年度は、薬剤アレルギー患者血清中の抗薬剤抗体検出と性状の解析を中心に研究を進めてきたが、2年目の今年は薬剤芽球化試験(DLST)の高感度測定法の確立を検討中である。現在までに薬疹が疑われる17症例についてDLSTを行った。180〜199までを疑陽性、200以上を陽性と判定した。その結果、疑陽性が一例で(5.9%)、陽性が2例(11.8%)であった。両者をまとめると3例でその割り合いは17.6%に過ぎなかった。 一方、サイトカインの産生能については現在インターロイキン2(IL-2)について検討中である。方法はDLSTに順じ培養19時間後に上清を採取した。上清中に含まれるIL-2は、IL-2依存性の増殖を示すCTTLL-2細胞にて測定した。その結果、IL-2産生が疑陽性のものが2例(11.8%)、陽性が6例(35.3%)とDLSTに比較し高い陽性率が得られた。さらに、IL-2のmRNA産生をRT-PCR法にて検索した。測定手順は、薬剤感作リンパ球からRNAを抽出、cDNAを作製し、PCR増幅、電気泳動、ハイブリ手順にて検出した。IL-2のsense primerには、5-ATG TAC AGG ATG CAA CTC CTG TCT T-3,anti-sense primerとして、5-GTT AGT GTT GAG ATG ATG CTT TGA C-3を用いた。初めに、薬剤刺激条件を検討した結果、刺激4〜6時間後に最も高いmRNA産生が検出された。そこで全ての症例について4時間後に細胞からmRNAを抽出した結果、IL-2産生が見られた全ての症例に於てIL-2mRNAが検出された。 以上の結果から、DLST試験に於けるIL-2蛋白並びにmRNA産生の測定法の有用性が示唆された。今後、症例数を増やすと共に、他のサイトカインの産生能や反応性T細胞の解析から臨床診断としての有用性を解析する予定である。
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