1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11672321
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金川 克子 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10019565)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 立 石川県立高松病院診療部, 医長(研究職)
天津 栄子 和歌山県立医科大学, 看護短期大学部, 教授 (30020027)
|
Keywords | 介護介入 / 回想法 / 痴呆 / デイケア |
Research Abstract |
本研究は、都市と農村地域の在宅痴呆性老人に対する、回想法およびROを取り入れた介入プログラムの有効性を検討することである。対象は、東京都区内1老人保健施設デイケアを利用中の在宅痴呆性老人60名(介入群30名:男性9名、女性21名、平均年齢84.2歳、AD12名、VD18名;対照群:男性9名、女性21名、平均年齢82.4歳AD12名、VD18名)である。方法は、回想法とROを取り入れたプログラムによる介入であり、介入群には高齢者6名を1グループとするグループを編成し、各グループを同一の枠組みのもとに、予め設定された回想テーマおよび回想刺激材料を用いて、週1回、1回1時間のセッションを通常のデイケアに加えて連続8回実施した。一方、対照群には、介入群と同施設内での通常のデイケアのみを実施して経過を観察した。主たる評価項目は、認知機能(MMSE)ならびに日常生活機能(MOSES)である。介入の結果、認知機能では、介入群では、介入前から比較して介入後に、時間と場所に対する見当職と注意力を主とする認知機能の改善を認めたのに対し、対照群では変化を認めず、両群に有意な差を認めた。次いで、日常生活機能については、介入群では、引きこもり傾向といらだち感を主とする日常生活機能の改善を認めたのに対し、対照群では悪化傾向がみられ、両群に有意な差を認めた。これらより、回想法とROを取り入れたプログラムによる介入は、痴呆性老人の見当職を中心とした認知機能と情動面を中心とした日常生活機能の改善に各々有効であり、痴呆性老人の日常生活適応の促進に向けての有効な介護介入方法となり得ることが示唆された。なお、農村地域での介入は研究条件の整備が中心で、次年度に実施予定である。
|
Research Products
(2 results)