2000 Fiscal Year Annual Research Report
日常生活援助技術における看護者の作業姿勢に関する研究
Project/Area Number |
11672323
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
佐藤 みつ子 山梨医科大学, 医学部, 教授 (40187240)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 仁 山梨医科大学, 医学部, 助手 (50303433)
白鳥 さつき 山梨医科大学, 医学部, 講師 (20291859)
坪井 良子 山梨医科大学, 医学部, 教授 (60258845)
清水 祐子 山梨医科大学, 医学部, 教務職員 (40313803)
佐藤 公美子 山梨医科大学, 医学部, 助手 (30324213)
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Keywords | 日常生活援助技術 / 看護者 / 作業姿勢 / 腰部負担 / 移動動作 |
Research Abstract |
看護者が、日常生活援助技術の中で最も腰痛を起こしやすい動作はベッドから車椅子への移動動作である。本研究は、ベットから車椅子への移動動作を取り上げ、ベッドの高低別、腰ベルトの有無、足の位置別に看護者の身体的負担度を測定し、看護者の作業姿勢および患者に安全で安楽な移動動作を検討した。研究方法は、被験者12名、バックトラッカーを装着し移動動作を行う。被験者および模擬患者に主観調査も行う。実験結果、腰部が最も屈曲したベットの高さは、45cm、60cm、70cmの順であった。全ての移動動作(腰部の屈曲/伸展・横曲げ・回旋)を検定したが有意差はなかった。主観調査では10名が60cmが最も移動し易く、模擬患者も一番安全と回答した。45cmは、前傾姿勢をとらなければ患者を立位にできないこと、膝をうまく屈曲できずに移動したことが原因と考えられる。70cmは最も前傾姿勢を取らずに立位にでき、腰部と膝の屈曲を行わずに移動できる。しかし、下肢で患者の体重を支えるより上肢で支え腕や頸部への負担がかかると考えられる。腰部ベルトを使用の方が、主観調査では腰部への負担が少ないとの回答が多かった。足の置く位置では、腰部の左右回旋で有意差があった。利き足での移動は、重心が左足にかかるため左回旋を行い、逆足での移動は、右に重心がかかるため右回旋を行う傾向がみられた。主観調査は、8名が逆足での移動はやりにくいと回答し、患者も一番危険と感じていた。以上の結果から、腰部負担を軽減できる理想的な移動動作は、ベットの高さが60cm、腰ベルトを患者に使用し、利き足で踏み込む方法である事が明らかになった。
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