2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11672324
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
近藤 浩子 信州大学, 医療技術短期大学部, 文部科学教官助教授 (40234950)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
百瀬 由美子 信州大学, 医療技術短期大学部, 文部科学教官講師 (20262735)
楊箸 隆哉 信州大学, 医療技術短期大学部, 文部科学教官教授 (90191163)
|
Keywords | 消臭 / アンモニア臭 / コーヒーかす / お茶がら / セマンティック・ディファレンシャル法 / 快・不快 / 臭気強度 / 活性炭 |
Research Abstract |
療養空間における代表的な生活臭の1つであるアンモニアを、身近な物質を用いて消臭する実験を行った。消臭物質としては、コーヒーかす、お茶がら、ペパーミントオイル、活性炭の4種類を用いた。被験者は、健康な20代の女性14名である。試料として、アンモニアと消臭物質の単体、およびアンモニアと各消臭物質の混合物の計9種類を作成し、ランダムに被験者へ渡した。1人の被験者の嗅ぐ試料は7つとし、嗅覚の疲労を避けるため、各評価の間に20分の休息を入れた。消臭効果は、「6段階の臭気強度表示法」、「7段階の快不快度表示法」、および匂いの質に関する「25対のSD評価」を用いて評価をした。これと同時に、各資料の臭気をニオイセンサで測定した。 その結果、次の5点が明らかになった。1.コーヒーかす、お茶がらをアンモニアに混合すると、主観的な臭いの強さが弱くなった。2.コーヒーかすをアンモニアに混合した臭いはやや快であったが、お茶がらをアンモニアに混合した臭いは快とも不快ともいえない臭いであった。3.ペパーミントをアンモニアに混合すると、物理的臭気濃度はかえって高くなり、どちらかといえば不快な臭いであると評価された。4.活性炭をアンモニアに混合すると、物理的臭気濃度が4物質中でもっとも低くなったが、主観的評価では、強くて不快な臭いと評価された。以上の結果から、コーヒーかすがアンモニアの消臭に有効な物質であることが示唆された。またSD評価の分析から、消臭に伴って臭いの質的特徴も変化していることが示された。
|