2001 Fiscal Year Annual Research Report
観血的処置時の看護婦の手指による感染経路を遮断するための効果的な方法の構築
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11672344
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University of Health Sciences |
Principal Investigator |
城生 弘美 東京都立保健科学大学, 保健科学部, 講師 (60247301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
習田 明裕 東京都立保健科学大学, 保健科学部, 助手 (60315760)
金 壽子 東京都立保健科学大学, 保健科学部, 助手 (60279776)
志自岐 康子 東京都立保健科学大学, 保健科学部, 教授 (60259140)
川村 佐和子 東京都立保健科学大学, 保健科学部, 教授 (30186142)
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Keywords | ゴム手袋 / 看護職 / 対象者(患者) / 看護援助 |
Research Abstract |
今年度は、看護職者の手袋装着に関して、対象者の認識を明らかにすることを目的として研究を進めた。 方法は半構成的面接調査とし、面接調査依頼時に面接内容と倫理的配慮に関する資料を送付した。面接協力に了解の得られた、通院中の感染症者4名と入院中の非感染症者3名を対象者とした。基礎情報(年齢・性別・職業・病名・現在受けている治療等)に関しては、自己記入式とした。面接内容は対象者の了解を得て録音し、逐語録を作成しカテゴリー化した。 その結果、対象者の背景として、年齢は20歳代4名、40歳代・50歳代・70歳代それぞれ1名で、全員男性であった。対象者全員が手袋装着した看護者からの援助を受けた経験をもっていた。具体的な援助内容は、感染症者では採血・注射・点滴・ガーゼ交換・排泄介助など、血液・体液に触れる可能性のある援助であり、非感染症者では排泄介助・ガーゼ交換・吐血処理など感染症者と同じ血液・体液に触れる可能性のある援助項目と、歯磨き・気管内吸引など清潔操作を要するもの、まだ体位変換・洗髪・清拭等ほとんど血液・体液に触れる可能性のない援助であった。また、対象者は看護者が最初の援助の際に「ここでは、全ての人に手袋をします」「採血や注射の時に手袋をします」などの説明をすれば、違和感もなく必要性を認識できると回答した。 さらに、対象者たちが手袋装着をして実施すべき具体的援助項目としてあげたのは、採血・注射・排泄介助・下半身の清潔ケア・吸引などであり、上半身の清拭・体位変換・着替えなどの際は手袋装着を不要と考えていた。手袋装着の理由として、感染症者は「手袋を着けずに医療者が感染した場合、医療者が恐がって感染医療に携わる人がいなくなると困る」「手袋をせずに看護者がリキャップをしたことがある。そういうことがあると気分が悪い」等であり、非感染症者は「衛生上の問題で手袋をつけるのはよい。手袋をはめてやることが看護婦の努め」「手袋をしているほうがきちんとしている。滅菌か非滅菌かきちんと頭に入っているのか気になることがある」等であった。 以上の結果から、看護者の手袋装着に対する対象者の認識は高く、手袋装着を医療施設の清潔保持のパロメータと考えていることがわかった。看護者からきちんと説明を受けることで、手袋装着に関する理解と協力が十分得られるとことも予測された。 昨年度、一作年度の採血時の医療者の手袋装着に関する調査と手袋装着に関する海外文献の動向を加え、まとめて報告をする。
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