2000 Fiscal Year Annual Research Report
介護保険サービスの評価に関する研究-在宅要介護者と介護者に対するケアアセスメント指標の検証をふまえて-
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11672352
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Research Institution | Oita University of Nursing and Health Sciences |
Principal Investigator |
藤内 美保 大分県立看護科学大学, 看護学部, 講師 (60305844)
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Keywords | 在宅介護状況 / アセスメントツール / 信頼性 / 簡易性 / 図式化 / 要介護者のアメニティ / 有用性 |
Research Abstract |
本研究は,在宅で生活する要介護者及び介護者の状況を簡易に把握するため、(1)要介護度(2)介護力(3)介護負担感(4)要介護者のアメニティという4つのパラメーターで,アセスメントのイメージ化、視覚化が可能なモデル(以下、介護アセスメントモデルとする)を開発し、その信頼性と有用性について調査した。介護アセスメントモデルの開発にあたり、次の4点を考慮しモデルの特徴とした。1)在宅介護状況をイメージとしてとらえられること2)簡便にアセスメントができ、多職種と共有できること3)要介護者のQOLを視野に入れた指標が盛り込まれていること4)介護者の状況も指標に盛り込まれていることである。 昨年度のプレテストにより改良を加えた介護アセスメントモデルについて、今年度は(1)ケアマネージャーや訪問看護婦などのサービス提供者と家族介護者のアセスメントの評価者の違いによる信頼性(2)有用性について検討を行った。(1)信頼性について、大分郡市に在住する要介護度1〜5度の認定を受けている要介護者の主たる家族介護者103名を対象とした(回収率78.0%)。結果は、要介護者との人間関係、介護者の制約感の2項目で低いκ係数を示したが、その他の項目はκ係数は高く信頼性が得られた。(2)有用性は、要介護者及び介護者の状況を総体として把握、在宅介護状況との妥当性、在宅介護状況の変化の把握、要介護者の生活の快適性と実際の快適性の一致、簡便な評価、ケアプランへの活用の6項目についてサービス提供者に自記式調査を行った。十分である、まあまあと回答したサービス提供者は全項目で70%以上と高かったが、在宅介護状況との妥当性、介護者の快適性と実際の快適性の一致、ケアプランの活用について、あまりできないと答えた人の割合は25%であり、本モデルの限界がみられた。 これらの結果は日本地域看護学会誌に投稿し誌上発表する予定である。
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