1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11672354
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
香春 知永 聖路加看護大学, 看護学部, 助教授 (30194947)
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Keywords | 看護技術 / 足浴 / 臨床的有効性 |
Research Abstract |
本年度は、看護技術の臨床的有効性の検証方法の枠組みを検討するため「足浴」の研究報告を中心とした文献検索を行った。今回、技術の有効性に関しては、「睡眠を促すこと」をその有効性の指標とし、足浴と睡眠に関して1978年〜1997年の日本における研究報告などを検討した。その結果、67文献が抽出された。これらの報告は、生理学的指標を用いて健常人を対象とした実験研究と、患者を対象とした臨床報告に分類される。実験研究からは、「足浴」が生体に及ぼす生理的影響と睡眠の機序と睡眠阻害因子との関係、そして足浴方法として、温度・時間・姿勢・部位が導き出された。これらは、睡眠を促す視点からみた最適な足浴方法を導くための根拠となる基盤となるデータを整理した。その結果「足浴」の方法としては、臥位、42-43℃の湯温、10分間の足浴時間、ベースンに約15cmの湯量として、手順の検討を重ねている。 そして臨床報告からは、対象特性(疾患、年齢)や状況特性(場)などがあがってきた。また、「睡眠を促す」ことへの有効性の指標としては、脳波、自律神経系、皮膚血流量、皮膚温があがっている。しかしこれらは、基礎実験レベルでの指標であり、臨床における有効性を示す指標とはいえない。さらに、これらの報告は、必ずしも研究としての妥当性をすべて満たしているとは言えないため、次の段階として、研究方法からさらに分析を行い、妥当性のある内容に限定し、その結果から検証方法のプロトコールを作成する予定である。また、睡眠に関わる有効性の指標の特定を行う予定であり、次年度は、プロトコールおよび有効性の評価指標をが明確になり、臨床実験の段階へと進む予定である。
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