2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11672363
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
岩崎 弥生 千葉大学, 看護学部, 教授 (60232667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 道子 千葉大学, 看護学部, 助手 (70344976)
清水 邦子 千葉大学, 看護学部, 助手 (40302575)
石川 かおり 千葉大学, 看護学部, 助手 (50282463)
荻野 雅 千葉大学, 看護学部, 講師 (60257269)
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Keywords | 精神病患者 / 家族 / ケア提供 / 困難 / 対処 / 家族支援 |
Research Abstract |
過去3年間のインタビュー調査及びアンケート調査から,精神病患者をケアする家族への支援として,(1)患者の将来の生活を保障するケア資源の整備,(2)患者の適応的な行動や社会性の回復への援助,(3)家族自身が病気に対して持つ偏見の除去,(4)家族のサポートの拡大,(5)家族がケア提供をとおして育んできた対処力の活用が示唆された. 最終年度は,家族支援システムの開発を目的に,家族支援に関する資料を収集するとともに,家族支援への取り組みの実際や家族支援に対する要望に関して精神保健福祉専門家及び家族当事者に聞き取りを行った.資料収集及び聞き取りでは,家族支援の内容・方法・評価・課題,支援関係者の役割と連携内容及び連携方法などに関するデータを収集した.収集したデータは,家族支援の現状と課題の観点から,質的に分析した. 文献に報告されている家族支援は心理教育が中心となっているが,家族が「生き生き暮らす」ことを目標とした支援の必要性が提言されている.一方,家族自身は家族の生活の保障や在宅支援などの直接的な家族支援以外に,患者の生活の保障,患者のノーマライゼーション,患者に対する良質のケアを望んでいた.現行の家族支援は,ケア提供者(治療協力者)としての家族の力量を高める側面と,生活者としての家族の生活の質を高める側面から行われているが,その他に,家族にとって有用性の高い家族支援システムには,市民としての患者の生活と権利を保障する制度や援助が不可欠であることが示唆された. 過去3年間の成果と照らし合わせても,家族志向の支援は患者と家族双方の回復・発展に向けたものである必要が示唆されており,まとめとして,患者-家族双方を含めた家族支援システムの試案を作成した.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 岩崎弥生: "家族の変化に寄り添う援助を"看護. 54・7. 28-32 (2002)
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[Publications] 岩崎弥生 他: "精神障害者の家族のケア提供上の対処-家族の応答性と自己配慮-"看護科学会雑誌. 22・4. 21-32 (2002)
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[Publications] 岩崎弥生 他: "精神病患者の家族のケア提供を支える要因〜聞き取り調査の定性分析〜"日本病院・地域精神医学会誌. 45・4(掲載予定). (2003)
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[Publications] 石川かおり 他: "家族のケア提供上の困難と対処の実態"精神科看護. 30・5(掲載予定). (2003)