1999 Fiscal Year Annual Research Report
HIV感染女性,妊婦および母子の支援に対する看護戦略の開発に関する研究
Project/Area Number |
11672364
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐山 光子 新潟大学, 医学部, 教授 (50149184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
定方 美恵子 新潟大学, 医学部, 助手 (00179532)
佐藤 悦 新潟大学, 医学部, 助手 (20169410)
湊 孝子 新潟大学, 医学部, 講師 (60272853)
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Keywords | 女性 / HIV / AIDS / 助産婦 / 妊娠時HIV抗体検査 / リプロダクティブヘルス・ライツ / ジェンダー / エイズ教育 / 支援 |
Research Abstract |
1.文献検討・情報収集:(1)女性とHIV,妊娠時検査などをキーワードとし,5年間の国内外の文献のうち,特に助産婦の関わりの観点から49件をリストし検討・考察。(2)さらに,具体的な支援方略とリソースを得るためNGO団体および専門家の意見聴取を行い,本研究の関連資料を収集。その結果,(1)助産婦がリプロ・ヘルス/ライツ,ジェンダーの視点で感染予防と支援に果たす役割が浮き彫りとなった (2)国内文献の大半は総説で女性にフォーカスした研究は6件に過ぎず,この領域に対する助産婦の関心や意識は低いことが示唆された。 2.面接調査:県内のHIV感染女性(10代2名)の支援看護者に対して半構成法による面接調査を行い,録音テープをもとに質的分析を実施。対象者は拠点病院の助産婦2名,保健所感染予防対策課の助産婦1名,保健婦1名,カウンセラーの助産婦1名。調査から,支援者がジレンマを抱え,心理的には(1)プライバシー保持をめぐる心理的緊張と孤立感 (2)助産婦のアイデンティティとのギャップ (3)支援者同士のネットワークのなさ,体制では(4)活動に対する周囲の無理解 (5)通常勤務との調整 (6)他科連携と活動範囲の不明確さ,などの状況にあることが示された。 3.質問紙の作成:本研究課題に基づき,平成8年に実施した質問紙調査の見直し検討を加えた。今回はこれを受けて,妊婦・一般対象者用と医療従事者用の質問紙を作成した。一般女性に対するプレテスト40名(44.3±11.4才24〜67才)の段階では,前回の調査対象者に比べて女性とエイズ,薬物療法に関する知識はやや高い結果を示すが,総じて意識や態度に大差はなかった。また,妊娠時HIV抗体検査を知る者は約7割,母子感染防止のための薬物療法は約15%であった。 4.平成12年度課題:(1)妊婦・一般女性(および男性),医療従事者のうち主に助産婦を対象とした質問紙調査による実態把握 (2)支援者側の面接調査を継続し,現状の問題分析 (3)前述の(1),(2)により助産婦の支援体制モデルの検討
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