1999 Fiscal Year Annual Research Report
起立性低血圧の予防に関する研究〈二度起こし法の条件反射的効用の開発〉
Project/Area Number |
11672369
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
永田 量子 名古屋大学, 医学部, 助教授 (30164429)
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Keywords | 二度起こし法 / 寝たきり者 / 起立性低血圧 / 自発的離床 / 連日継続ケアー / 条件反射的効用 |
Research Abstract |
私が永年試みてきた起立性低血圧を防ぐ「二度起こし法」は、個々人に合った快い声かけをして上半身をゆっくり起こす〜再び静かに寝かせる〜更に起こして床に足をつける、簡単で誰でも出来る方法です。H8年に科学研究費の助成を受けさせて頂いたため、H9年9月6日の朝日新聞全国版に掲載され、試行された介護者から楽に離床できた旨の電話を受けました(H8年家族看護学研究 vo1.2/1「寝たきり老人の起立性低血圧を防ぐ試み-二度起こし法-」参照)。当時この他いくつかの問題点や知見を得ておりました.そこで、この度再び科研費を申請し許可されました。その問題点は、寝たきり者の多くがはじめ離床を促すと躊躇されることで、介護者の積極性と、起こす自信がないとそのまま寝たきり者になります。つまりベッドに腰掛けられて微笑まれる前迄は、遠慮や不安感をもった精神・身体状況で自発的離床ではありません。故に起こす時、自然に自主性を引き出す条件設定を試み、連日継続ケアー(1W〜10日間)で習慣化させると「今から起きる」という心身の準備ができ条件反射的効用となって楽に起こせるという知見を得ました。具体的には、要介護者の起座時に偶人の好まし状況をイメージさせたり、実際好きな音楽をかける、可愛い孫や、子供、動物が立ち合う、やさしい声掛けをするなど個々人に合った精神的安定が得られる条件設定をし習慣化させます 今回の研究目的は、上記のような条件を見つけ、二度起こし法の実施毎に習慣化してその時の血圧、脈拍、血流、精神身体状況の測定、分析、随伴症状の観察をし、その有効性を実証することでした。測定機器の変更,機器への習熟に時間がかかった、1W間継統測定日程が得られないなどでH11年度研究計画予定が大幅に未達成のため次年度にむけて努力する覚悟です。現時点では、健常成人(20才台 学生)12名と健常高齢者(60〜70才台)2名の測定(研究目的に従い)を終え調査、分析中です。
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