1999 Fiscal Year Annual Research Report
がん化学療法患者のWell-beingに及ぼすリラクセーション技法の長期的影響
Project/Area Number |
11672381
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
荒川 唱子 福島県立医科大学, 看護学部, 教授 (30291561)
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Keywords | がん患者 / 化学療法 / リラクセーション / Well-being |
Research Abstract |
本研究においては、リラクセーション技法を長期間にわたり実施した場合の効果は何か。また、技法習得のプロセスとそれに要する期間を明らかにすることを意図している。 今回の研究テーマに関する過去の文献を検討したが、求めている情報の不足を再確認することになった。化学療法に関しては、これまでも副作用に焦点を当てた研究が多い。がん化学療法は長期間にわたるため、看護目標は患者が副作用に対処できることはもとより、安寧(well-being)な状態を維持できることである。そのため、自己コントロールの方法であるリラクセーションの技を習得することは、患者や家族にとって極めて重要である。 以上のようなことを念頭に、本年度はデータ収集に向けての準備に大部分の時間を費やした。まず、リラクセーション技法の練習用テープであるが、これまで作成してきたテープは、実際にそれを使用した対象者から多くのフィードバックを得ることができた。リラクセーションテープの善し悪しは、患者の好みにもよるが、多くの対象者に受け入れられることが大切である。これまでの経験を生かし、専門家の意見を参考にしながら、性別や年齢を問わず対象者に技法習得の動機づけになることを念頭にテープを作成した。また、それに合わせて対象者へのガイドラインとなる「リラクセーションへの招待」(案)を作成した。また、「変数測定尺度」に関しては、既存の尺度の使用が適切か、あるいは、本研究用に作成すべきか。いずれも長所・短所があり検討中である。 データ収集は、大学病院及びがん専門病院で実施する予定である。今回の研究テーマに関して、あまり情報がない領域であるため、当初の研究計画を変更し、量的のみならず質的なデータも収集していきたい。
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