2000 Fiscal Year Annual Research Report
出産および育児に関するソーシャルサポート・ネットワークの研究
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11672384
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Research Institution | The Japanese Red Cross Hiroshima College of Nursing |
Principal Investigator |
野口 真弓 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 助教授 (40241202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新川 治子 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 助手 (90330711)
多賀谷 昭 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (70117951)
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Keywords | 出産 / 育児 / ソーシャルサポートネットワーク / 母親 |
Research Abstract |
都市化の程度の差によるソーシャル・サポート・ネットワークを比較するために、本年度は、比較的都市化の進んだ広島県広島市近郊のA市において質的研究(調査1)を行い、現在は量的研究(調査2)を継続している。 【調査1】ソーシャル・サポートの存在が、母親の育児不安を軽減させることは既に知られているが、実際のネットワークの状況は明らかにされていない。そこで、育児をする母親がどのようなソーシャル・サポート・ネットワークを持ち、そのネットワークについてどのように考えているかを質的に明らかにすることを調査1の研究目的とした。広島市近郊のA市が開催する育児相談に参加する母親35名にインタビューを実施し、それらの記述を文脈単位で264、サンプリング単位で35に区分して内容分析を行った。その結果、育児に関する文脈単位の分析では、「育児相談への参加理由」、「育児状況の評価」、「夫の育児協力」、「夫以外の育児の相談相手」、「夫以外の育児の実際的な手助け」、「近隣の状況」、「母親同士の交流」、「母親の外出」、「子どもの友だち」、「母親の就業」という10のカテゴリーが得られた。サンプリング単位の分析では、43%の母親が現状のネットワークに満足し、51%の母親がネットワークを拡大したいと考えていることが明らかとなった。 【調査2】育児をする母親がどのようなソーシャル・サポート・ネットワークを持ち、そのネットワークについてどのように考えているかを大きな集団を対象として量的に明らかにすることを調査2の研究目的とした。そこで、調査1の質的な研究結果をもとに質問紙を作成し、出産4か月後と出産7か月後の母親を対象に2回の縦断調査を行っている。次年度にはその成果を報告する予定である。
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