1999 Fiscal Year Annual Research Report
がん体験者のMasteryを基盤とした肯定的な適応を促進する看護援助方法の開発
Project/Area Number |
11672391
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Research Institution | Kochi Women's University |
Principal Investigator |
藤田 佐和 高知女子大学, 看護学部, 助教授 (80199322)
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Keywords | がん体験者 / Mastery / MSI / 適応 |
Research Abstract |
平成11年度の報告:平成11年度は、以下の目的1〜4について実施した。 目的1:Mastery of Stress Instrument(MSI)翻訳質問紙の実用可能性の探索 対象者:A病院外来通院患者29名 結果:対象者の語った内容から、日本の文化の中にもMasteryの概念は存在し、MSIは総合的にみて翻訳後、使用可能な尺度であると評価できた。 目的2:がん体験者の長期的な適応状態を把握する指標となるMSIの翻訳日本語版を作成し、質問紙が文化的な差異性を考慮した適切なものであるのかを検討する。 対象者:バイリンガルの日本人英語専門家2名、日本在住10年以上のネイチブのアメリカ人英語専門家2名、看護学研究者2名、日本語の専門家2名。 結果:バックトランスレーションを含む翻訳過程を繰り返し行い日本語版MSIの原案を作成できた。 目的3:翻訳した尺度ががん体験者に活用できるのか内容妥当性の検討をする。 対象者:がん看護のエキスパート20名 結果:内容妥当性の数的基準を8割と設定して検討した結果、5要素89項目で構成されるMSIのうち、1要素と2項目の一致率が8割より低かった。総合的には内容妥当性はあると判断し、次の段階に進めた。適合しない理由を分析し、要素名と定義の問題と日本語表現の問題が明らかになったため、文化的差異、翻訳の問題の視点で考察をした。 目的4:MSIの日本語翻訳版のプリテストを行い最終版の質問紙を作成する。 対象者:がん体験者5名、成人・老人期にある人5名。 結果:対象者による表面妥当性の検討を行い、応えにくい項目・意味のわかりにくい項目を検討し、実用可能なMSIの日本語版最終版となる。 平成12年度は、パイロットスタディを実施し、日本語版MSIの尺度の信頼性の検討を行うとともに、質問紙全般にわたって使用しての問題点を探る予定である。
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