1999 Fiscal Year Annual Research Report
精神分裂病患者の症状管理プログラムの開発-学際的ティームによる心理教育グループ-
Project/Area Number |
11672394
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
羽山 由美子 聖路加看護大学, 看護学部, 教授 (10124405)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤村 尚宏 財)精神医学研究所, 東京武蔵野病院, 副院長
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Keywords | 心理教育 / 症状管理 / 服薬教育 / 精神分裂病 |
Research Abstract |
平成11年度では、3ヶ年計画の目的のうち、とくに1)現行プログラム内容の検討、2)患者用教材および実施マニュアルの作成、3)アウトカム指標の作成、が課題であった。得られた知見は下記のとおりである。 1)現行プログラム内容の検討・・・平成10年4月1日から平成11年3月31日まで1ヶ年間に実施された服薬教育プログラムの全セッションを対象に、参加した全患者のカルテ調査から、次のような特徴を見いだした。すなわち、1クール4セッションの本グループは、過去1年間で計145セッションが実施された。それに参加した患者は計181名であり、分裂病が53%、感情障害が22%、その他25%であった。初回入院は41.4%を占め、51%の者が1クール4セッションをすべて終了していた。プログラムに関わるスタッフ(看護婦、薬剤師、医師)によって持たれたフォーカスグループでは、急性期短期治療病棟ゆえの回転率の早さから、外泊・退院等により中断者が多くなることが指摘された。そこで、各セッションの間隔を短縮すること、および受け持ちナースによるスケジュール調整を行うことが話し合われた。また、グループプロセスの参加観察からは、初回入院により治療動機づけの低い患者であっても、他患者からの問いかけにより、病識とまでいかずとも、病感が多少芽生えてくることもあることが分かった。 2)マニュアル類の作成は、まず看護者用の自己学習教材の作成から着手した。服薬教育プログラムの意義、精神症状の理解、向精神薬の作用・副作用、集団力動の理解と活用、心理教育のアプローチ、から成る内容で構成されるブックレットを作成した。アウトカム指標は、統計的検定に耐えられるKnowledge of Illness and Drugs Inventory(急性期用)の作成中であり、これから2版へと修正予定である。
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