2000 Fiscal Year Annual Research Report
運動による分泌型免疫グロブリンAの変動に関する研究
Project/Area Number |
11680014
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Research Institution | Japan Women's College of Physical Education |
Principal Investigator |
赤間 高雄 日本女子体育大学, 体育学部, 助教授 (60212411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 一郎 筑波大学, 体育科学系, 教授 (00132994)
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Keywords | 運動 / 分泌型免疫グロブリンA / 上気道感染症 / 感染防御 / 免疫 / 防衛体力 |
Research Abstract |
1.sIgAと上気道感染症罹患との関係 (1)sIgA分泌と上気道感染症罹患状況:男性31名を対象に唾液中sIgAの測定と上気道感染症罹患調査を2カ月間行った.上気道感染症に罹患した者は6名あり,sIgAの低下後に上気道感染症を発症した者がいた.例数が少ないため,さらに検討を要する. (2)上気道感染症防御における,sIgA以外の唾液中の因子:男性7名を対象に,フルマラソン前後の唾液中の可溶性Intercellular adhesion molecule 1(sICAM-1)を測定した.マラソン前日が3.3±1.7ng/ml,直後が8.1±4.9ng/ml,1日後が2.7±2.4ng/mlと有意な変動を示した(p<0.05)が,総蛋白濃度も同様であり,運動に伴う非特異的な濃縮によると思われた. 2.運動量とsIgA変動との関係 男子9名(年齢10〜12歳)に20mシャトルランテストを行った.走行時間は7.7±1.5分で,唾液sIgAは前が20.2±3.1μg/min,後が15.5±3.2μg/minで有意な変化はなかった,ほぼ同様の対象(男子12名,年齢10〜12歳)においてラグビーの2時間の練習前後で唾液sIgAを測定したところ,練習前29.6±3.8μg/minから練習後18.1±28μg/minに有意に減少した(p<0.01).唾液sIgAは最大運動であっても短時間の一過性運動では低下せず,運動時間が長くなると低下することが示唆された. 3.運動によるsIgA低下のメカニズム マウスに運動負荷し,運動前後のsIgAの変動を測定した.5匹中4匹で運動後のsIgA低下が観察され,マウスを実験動物として,運動によるsIgA低下のメカニズムを検討できる可能性が示された.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 赤間高雄: "免疫とスポーツ"体育の科学. 49・8. 618-621 (1999)
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[Publications] 赤間高雄: "運動と免疫機能"Mebio. 17・5. 56-61 (2000)
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[Publications] 赤間高雄: "中高年者の免疫機能と運動"体育の科学. 50・11. 876-879 (2000)
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[Publications] 赤間高雄: "運動による唾液中ICAM-1の変動"体力科学. 49・6. 726-726 (2000)
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[Publications] 中村大輔: "大学サッカー選手における免疫学的コンディショニングの試み〜唾液中sIgAを指標として〜"体力科学. 49・6. 738-738 (2000)