1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11680016
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小堀 かおる 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (10209190)
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Keywords | 骨格筋 / 固定 / 萎縮 / 収縮特性 / マウス |
Research Abstract |
機械的刺激因子が骨格筋に及ぼす影響として、前年度に行った可動域制限ギプスのトレーニング(筋萎縮防止)効果と比較するために、本研究では運動性のきわめて高い近交系マウスであるC57-BL/6(7週齢♂:26.0±3.2g)を用い、各種のギプス固定法による筋萎縮および機能低下の防止効果を評価した。マウス片脚の下腿ヒラメ筋に、足関節角度60゜(伸張位ギプス)あるいは170゜(短縮位ギプス)に固定するギプスをも施し、同一個体の対脚を対照筋として運動を行わせた。5週間のギプス期間後、同一個体から得た両脚のヒラメ筋2筋を1セットとして摘出、95%O2-5%CO2を通気したRinger液中でPt電極による直接電場刺激法により等尺性筋収縮を誘発し、筋の収縮特性(筋の長さ-張力、-張力立ち上がり、収縮経過時間)変化を調べ、前年度に行った可動域制限ギプス筋(運動ギプス群)における変化と比較した。 筋重量はいずれのギプス筋でもコントロールに比べ低下し、その低下は伸張位ギプス群で短縮位ギプス群運動群より小さかったが、いずれの低下率とも運動ギプス群より大きかった。静止張力は、短縮ギプス群で立ち上がりが速くなったが、伸縮ギプス群ではコントロールと同様であった。運動ギプス群では筋長-張力関係が変化しなかったのに対し、固定ギプス群では伸張位でのギプス法に対応するような特性変化が認められた。 以上より、筋の肥大・成長に影響を及ぼす因子として、筋の動的活動による効果は筋の伸張による効果よりも大きい。ギプスによる可動域制限は筋の収縮特性を質的には変化させなかったのに対し、完全固定による運動制限は筋の収縮特性を大きく変化させる。
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