1999 Fiscal Year Annual Research Report
競技歴と指導歴からみる指導信条のアンビバレンスが運動部顧問離れに及ぼす影響
Project/Area Number |
11680018
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
海老原 修 横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (50185138)
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Keywords | 指導信条 / スポーツ・キャリア / 指導歴 / アンビバレンス / 学園ドラマ / メタ的メッセージ |
Research Abstract |
平成11年5月〜11月にかけて、研究課題に係る質問紙の作成ならびに効率的な調査実施のために、神奈川県教育庁、神奈川県立体育センター、神奈川県小田原地区保健体育研究会の関係者に聴き取り調査を行うとともに、運動部活動の今日的問題点を摘出・整理するための専門的な知識を聴き取り調査するために関係機関に出向した。一方で、いわゆる「青春とはなんだ」に始まり「金八先生」や「GTO」ヘと連綿と続く青春ドラマ、学園ドラマが発信するメタ的なメッセージに、実像と虚像のアンビバレンス、虚構としての数師像が生成されてきたと仮説検証を試みた。調査に関しては、平成11年12月〜平成13年1月にアンケート調査「運動部顧問の指導信条に関する調査」票を神奈川県高等学校体育連盟と中等学校体育連盟の協力を得て、高等学校運動部顧問552名、中学校顧問315名を対象に郵送し、521名からの回答を得た。競技歴と指導歴に基づくスポーツ種目や所属機関の組み合わせ(スポーツ・キャリア・パータン)から、同一スポーツ種目・同一機関、同一スポーツ種目・複数機関、異種スポーツ種目・同一機関、異種スポーツ種目・複数機関の原則的に4タイプを類型化した。この4タイプを取り上げ、スポーツ価値指向性(Webb、1969)の比較や競技信条、指導信条、生徒の競技信条の一致・不一致を分析した。その結果、異なる価値観を体験する機会の少ない同一スポーツ種目・同一機関に所属する顧問教師ほど競技信条、指導信条、生徒の競技信条のズレが小さく、異種スポーツ種目・複数機関を経験する顧問教師ほどズレが大きいことが確認された。とりわけ、競技信条と生徒の競技信条にズレが大きく、指導信条と生徒の競技信条のズレとの調整がアンビバレンスを生成すると第2次仮説を構築できる
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