1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11680022
|
Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
春日 規克 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (60152659)
|
Keywords | 筋損傷 / 伸長性収縮 / 骨格筋 / 筋線維組成 |
Research Abstract |
実験動物(Fischer344系)ラット骨格筋に損傷を与え,その回復過程における組織学的・生理生化学的検討を行っている。 平成11年度の実験計画として,筋に直接電気刺激による強縮中に機械的に引き延ばす伸長性収縮をおこなった。被験筋は足底筋であり、損傷を引き起こす場合の収縮回数を5,10,60回と設定した。収縮回数が5と10回では3-5日後の損傷率に大きな差がないが,収縮回数60回では明らかに損傷線維の増加し、マクロファージの浸潤面積が拡大した。収縮強度(参加運動単位数)・可動範囲(関節角度変化)等の他にも収縮回数が損傷誘発の大きな要因となることが示された。 筋損傷後の継時的変化は崩壊像が損傷進行過程であるのか、再生過程であるのかの規準を模索している段階である。組織学的観察が困難のため、生理的機能を中心に測定している。 易損性が筋線維タイプ別に存在するかを検討した結果、形質膜に損傷が生じ、透過性の変化から起こるOpeque線維の発生頻度は筋線維組成とほぼ一致した。しかし、明らかに崩壊する線維については、連続切片の追従測定から、90%以上が速筋線維typeIIbがであることが示された。また、筋の横断構造に見られ、数十本の筋線維束を作っている筋周膜に隣接する線維にもより損傷発生率が高く、収縮伸展時の摩擦に原因があることが推察された。typeIIb線維に特異的に起こる損傷について、さらに検討を必要とすると考えられる。
|