1999 Fiscal Year Annual Research Report
安定同位体^<13>C標識の糖質摂取が運動時の循環調節に及ぼす影響
Project/Area Number |
11680031
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
定本 朋子 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 助教授 (30201528)
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Keywords | 安定同位体 / ^<13>C / 糖質 / 運動 / 呼気ガス |
Research Abstract |
安定同位体^<13>Cを標識したグルコースやフルクトースを経口摂取すると,生体内で利用され,呼気ガス中に^<13>CO_2となって排出される.標識されていない通常の炭素(^<12>C)は,^<12>CO_2として排出されることから,呼気ガス中の^<13>CO_2と^<12>CO_2の同位体比を計測すれば,摂取した基質の体内利用がわかる.^<13>Cはトウモロコシ等の日常食にも極微量含まれる物質であり,ヒトが繰り返し摂取しても危険はない.この安全性に加え,呼気ガス計測という非侵襲的分析により,しかも連続測定ができるという利点は,運動時代謝を知る上で有効な手段となる.平成11年度における本研究の目的は,この手法を用い,ヒトの運動時における代謝測定に適合するような^<13>CO_2/^<12>CO_2同位体比計測オンラインシステム(ハード面)を確立することである.実際には,^<13>C計測が可能な質量分析計に呼気ガス用ミキシングチャンバーを連結するオンラインシステムを考案した.このシステムにより,40〜70%最大酸素摂取水準の運動時であれぱ,10秒間隔で呼気ガスをプールすると安定した連続データが得られることを確認した.また実験前の食事内容の違いが^<13>CO_2/^<12>CO_2同位体比にもたらす変動についても検討した.その結果,測定前日に糖質が約60%という日本人の平均的な食事をとり,そして前日夜から絶食をした場合には,1〜5%の定常誤差を含むに過ぎず,実験的に経口摂取した^<13>C標識糖質のデータを変動させないことを確認した.
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