2000 Fiscal Year Annual Research Report
運動がヒト寿命延長に及ぼす影響の基礎的検討-テロメラーゼ活性を中心に-
Project/Area Number |
11680033
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
稲水 惇 広島大学, 教育学部, 教授 (00112186)
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Keywords | ヒト寿命 / 運動 / テロメラーゼ活性 |
Research Abstract |
1.中等度強度の運動がテロメラーゼ活性に及ぼす影響に関する検討 本年度は、運動習慣をもつ(運動鍛錬者)を対象に、テロメラーゼ活性に及ぼす運動の急性効果について検討した。 (1)対象および方法:運動習慣をもつ男子大学生(19〜21歳、平均11名を対象とした。対象の平均年齢は19.8±0.8歳、平均VO_2maxは3328±384ml/minであった。自転車エルゴメーターを用いて、60%VO_2max強度で60分間の運動を負荷した。運動負荷前および負荷直後に採血、リンパ球を分離し、テロメラーゼ活性検出キット(TRAP-eze,Boehringer Mannheim)を用いてリンパ球中テロメラーゼ活性を測定した。 (2)成績:運動負荷後のリンパ球中テロメラーゼ活性が運動負荷前に比べて、亢進した者4名、低下したもの7名であったが、統計学的には有意の変動ではなかった。1時間の中等度強度の運動負荷は、非鍛錬者(11年度成果)と同様に、運動鍛錬者にとってテロメラーゼ活性に影響することはないものと考えられた。 2.血清因子がテロメラーゼ活性に及ぼす影響に関する検討 (1)方法:60%VO_2max強度で60分間の運動負荷前後で得たそれぞれの血清を健常者リンパ球に添加し、CO_2incubatorで培養後、リンパ球中テロメラーゼ活性を測定した。 (2)成績:培養後リンパ球中テロメラーゼ活性は、運動負荷前血清添加群と運動負荷後血清添加群との間に有意の差はみられなかった(n=3)。現在、さらにrecombinant cytokineを用いて検討中である。
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