1999 Fiscal Year Annual Research Report
中学校におけるリラクセーション課題に基づくストレスマネジメント教育に関する研究
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11680041
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
山中 寛 鹿児島大学, 教育学部, 助教授 (60182581)
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Keywords | 心理社会的ストレスモデル / 学校ストレス / ストレスマネジメント教育 / 中学生 / リラクセーション / ペア・リラクセーション / 自己理解 / 他者理解 |
Research Abstract |
本研究の調査・実験校である鹿児島大学教育学部附属中学校で、1学期末試験が終わって7月中旬と2学期末試験直前の11月下旬に、全学年計600名に対して「ストレッサー→認知的評価→コーピング→ストレス反応」という心理社会的ストレス過程に沿って「学校ストレス反応調査」を実施した。そして、次のような結果を得た。 1.「友人関係」「学業」「教師」「部活動」という学校ストレッサーに対して、2年生と3年生は「学業」をストレッサーと感じており、調査時期の違いは影響しなかった。また、調査時期に関係なく、女子は男子よりも「学業」「教師」をストレッサーと感じていることが明らかになった。 2.認知的評価における「ストレッサー影響性」と「ストレッサーに対するコントロール可能性」においては、調査時期に関係なく、女子の方が男子よりもストレッサーに影響され、ストレッサーに対するコントロール可能性が低いと受け止めいていることが明らかになった。 3.「積極的対処」「思考回避」「諦め」というコーピング方略のなかで、2年生は試験直前の11月の方が「思考回避」方略を多用していることが明らかになった。また、男女とも3年生は1年生・2年生よりも「諦め」得点が高いことが明らかになった。 4.「不機嫌・怒り」「抑うつ・不安」「身体反応」「無気力」というストレス反応のなかで、1年生は11月の方が7月よりも「身体反応」が減少した。2年生は11月の方が7月よりも「抑うつ・不安」反応が高まることが明らかになった。 以上の結果から、学年や時期に応じてストレス過程の心理的特徴やストレス反応が異ることが明らかになった。
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[Publications] 山中 寛: "「体ほぐし」から「心ほぐし」へ-リラクセーションの観点から-"体育の科学. 49巻・6号. 467-470 (1999)
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[Publications] 山中 寛: "日本におけるストレスマネジメント教育の現状と効果"再活心理研究(韓国再活心理学会編). 7巻・1号. 1-12 (2000)
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[Publications] 冨永 良喜: "動作とイメージによるストレスマネジメント教育・展開編"北大路書房. 155 (1999)
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[Publications] 山中 寛: "動作とイメージによるストレスマネジメント教育・基礎編"北大路書房. 226 (2000)