2001 Fiscal Year Annual Research Report
中学校におけるリラクセーション課題に基づくストレスマネジメント教育に関する研究
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11680041
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
山中 寛 鹿児島大学, 教育学部, 助教授 (60182581)
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Keywords | 心理社会的ストレスモデル / 学校ストレス / ストレスマネジメント教育 / 中学生 / セルフ・リラクセーション / ペア・リラクセーション / 自己理解 / 他者理解 |
Research Abstract |
2000年度に引き続き、鹿児島大学教育学部附属中学校で、4月よりセルフ・リラクセーシヨン課題やペア・リラクセーション課題を中心とした「ストレスマネジメント教育」を週1回・30分間、クラス単位で継続的に行った。 その効果を検討するために、5月、7月、9月、11月に、全学年計600名に対して「ストレッサー⇒認知的評価⇒コーピング⇒ストレス反応」という心理社会的ストレス過程に沿って「学校ストレス反応調査」を実施した。そして、次のような結果を得た。 (1)高学年ほど「学業」「教師」「部活動」をストレッサーと感じる傾向が強くなるが、「友人関係」にはその傾向は現れなかった。調査時期に関係なく、女子は男子よりも「学業」をストレッサーと感じていることが明らかになった。 (2)認知的評価における「ストレッサー影響性」について、1年生は2.3年生より影響性が高かった。3年生は11月の方が他の調査時期よりも影響性が低かった。つまり、ストレスマネジメント教育を行うことによって、ストレッサーに対する認知的評価が改善されたことが明らかになった。 (3)「積極的対処」「思考回避」「諦め」というコーピング方略のなかで、2.3年生は「思考回避」や「諦め」方略を多用していることが明らかになった。また、11月が他の時期よりも「思考回避」や「諦め」得点が高いことが明らかになった。 (4)高学年ほど「抑うつ・不安」「身・体反応」「無気力」というストレス反応を示す傾向が高く、時期では7月が最も高い傾向が示された。しかし、「不機嫌・怒り」については、学年差は認められなかった。 以上の結果から、ストレスマネジメント教育を継続することによって「友人関係」をストレッサーと評価する傾向が低くなり、認知的評価が改善されることが明らかになった。
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[Publications] 山中 寛: "シドニーオリンピックにおける医科学サポート-心理サポート-"全日本アマチュア野球連盟医科学報告. 25-27 (2001)
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[Publications] 猪俣 公宏: "メンタルマネジメントに関する研究"平成12年度日本オリンピック委員会スポーツ医・科学研究報告. No.III・2. 1-45 (2001)
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[Publications] 成瀬 悟策: "講座臨床動作法第6巻スポーツ動作法"学苑社. 243 (2001)