1999 Fiscal Year Annual Research Report
温熱脱水レベルが運動時の体温調節および有酸素的・無酸素的運動能に及ぼす影響
Project/Area Number |
11680046
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
河端 隆志 大阪市立大学, 保健体育科研究室, 講師 (90195131)
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Keywords | 温熱脱水 / 運動 / 体温調節 / 血液量 / 血漿量 / 有酸素性運動 / 無酸素性運動 |
Research Abstract |
本研究では、"温熱脱水レベルが運動時の体温調節および有酸素的・無酸素的運動能に及ぼす影響"について着目し、平成11年度では、脱水レベルと有酸素的・無酸素的運動能との関係について検討し、1)血漿量と最大酸素摂取量の関係、2)脱水レベルと有酸素性・無酸素性運動能の関係について解析を進めている。 1.血漿量と有酸素性運動能(最大酸素摂取量)の関係 循環血漿量の測定にはT-1824(Evans' Blue dye)を用いて測定した。投与量は0.5%溶液の5mlをシリンジに用意した。トレーサーを注入し、注入完了と同時に時間を計り、10分後に対側の肘静脈より採血を行った。また、血液量(BV)は、血漿量(PV)とヘマトクリット値(Hct)からBV=PV/(1-Hct/100)にて算出した。その結果、循環血漿量および血液量はいずれも最大酸素摂取量との間に有意な相関を示した。また、乳酸性作業閾値(LT:Lactate threshold at 4mmol)と運動時血漿量の動態の関係では、LT時酸素摂取量と循環血漿量との間には有意な相関がみとめられた。 2.脱水レベルと有酸素性・無酸素性運動能の関係 測定は0800から開始し、被験者は来室後採血および体重を測定し、環境制御室にて運動前負荷として体重あたり3%を超える脱水負荷を課される。その後、1時間の安静(25℃,RH40%)後、60%VO2maxの運動強度30分間の自転車こぎ運動を行った。その結果、対照と比較して、心拍応答および食道温において有意な高値がみとめられ、脱水による循環血漿量の低下による影響が示唆された。無酸素性運動については、Wingate testによる30秒間の全力自転車駆動運動において、脱水により、パワー持続能に影響を受ける傾向にあった。
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[Publications] T. Kawabata et. al.: "The effect of blood volume on plasma volume reduction during exercise in Japanese professional football players"Advance in Exercise and Sports physiology. 5・4. 145 (1999)
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[Publications] T. Kawabata et. al.: "The effect of blood volume on plasma volume exchange during exercise in Japanese professional footballers"Fifth IOC World Congress, Sydney. 101 (1999)