2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト乳幼児の四足歩行における歩容の個体発達に関する縦断的研究
Project/Area Number |
11680049
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
安倍 希美 北里大学, 一般教育・(体育及び資格教育センター), 講師 (50222667)
|
Keywords | 乳児 / 乳幼児 / 四足歩行 / 四つ這い / 歩容 / 発達 / 縦断的研究 |
Research Abstract |
乳幼児の四足歩行をDVカメラを用いて記録し、その歩容の個体発達過程をHildebrand(1966)の歩容グラフ上に記述する本研究も最終の4年目となった。撮影の頻度は週1回、二足歩行以降後は年3〜6回程度であった。ここではまず現時点で3歳以降まで記録できた3児の四つ這いの2歳半までの結果をまとめ、3歳以降における個別事例を記す。次に1歳半以降まで記録できた2児の事例を記し、最後にまとめを記す。 1,3児に共通した結果は、四つ這い開始初期の歩容はLS(diag. cpts.)-very slow, slow,二足歩行開始の頃のTrot-moderateは2歳半でも同様であり、2歳以降はmoderateということであった。 2,男児Aの事例。生後36週に四つ這いを開始しLS-very slowであった。3歳ではLS-moderate,3歳半ではまたTrot-moderateに戻ったが、4歳では3歳より顕著にLS-moderateとなった。 3,女児Dの事例。生後33週に四つ這いを開始し、歩容は35週でLS-slow,翌36週以降は全てTrotで生じ、3歳と3歳半でもTrot-moderateであった。 4,男児Eの事例。生後35週に四つ這いを開始し、LS-very slow。3歳と3歳半ではLS-moderate。 5,女児Gの事例。生後32週に四つ這いを開始し、34週までLS-very slow,その後LS-slowの範囲で変化し、よく歩くようになった48週ではこの時期の速さのピークを迎えTrot-slow,1歳ではLS-very slowに戻ったが、1歳半でLS-slow,2歳でTrot-moderateで前回の速さのピークを越えた。 6,女児Hの事例。生後40週に四つ這いを開始し翌週までLS-slow,それ以後Trot-slow,速さのピークを迎えた二足歩行開始直前の50週から1歳半までTrot-moderateであった。 7,本研究で得られた歩容は全てLS(diag. cpts.)とTrotのWalk(slow, moderate)の範囲内で、予想よりも限定的であった。そして四つ這い開始初期の歩容は、Hildebrand(1976)が四足歩行の源泉とみなした領域にほぼ一致した。1歳半位までは二足歩行の影響が強いと思われるが、それ以降の変化のモデル化を考えるまでには至らなかった。上記の5児は今後も協力賜ることが可能なので継続できればと思う。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] 安倍 希美: "乳幼児四つ這いの歩容の発達に関する縦断的研究"日本発育発達学会第1回大会プログラム. 39 (2002)
-
[Publications] ABE, Maremi.: "Development of creeping patterns in Japanese infants"Anthropological Science. 111. 136 (2003)