2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11680053
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
岩垣 丞恒 東海大学, 体育学部, 教授 (10056103)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新居 利広 東海大学, 体育学部, 助教授 (50175949)
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Keywords | RBC / MCV / ch / pc比 / カテコールアミン / Exhaustion exercise / 赤血球膜PC / 血液インキュベーション |
Research Abstract |
持久性トレーニングによる代償的なMCV増加の背景を、plasma lipidsとの関係で検討してきた結果、plasma PCと赤血球膜PCとの相互的関係により、MCV-plasma PC関係が成立していることが明らかになった。 そこで今年度は、このようなMCV-plasma PC関係成立の背景を、mechanism解明の立場から検討を加えた。そこで、1)Exhaustion exerciseでplasma PCに増加が生じるか。2)運動時に分泌されるcatecholamineはこれらの関係にどのように働いているか。3)運動時に考えられる赤血球の機械的衝突は赤血球膜脂質を変化させる要因となっているか。の3点について検討した。 これらの結果、exhaustion exercise直後にはplasma PC並びに赤血球膜PCの有意な増加が発現していた。Incubation血液へのカテコールアミンの添加は、赤血球膜PCを顕著に増加させた。さらに、赤血球への機械的刺激は、赤血球膜PCを増加させた。 これらの結果は、運動に関与する因子(カテコールアミン、赤血球の衝突)は直接的に赤血球膜PCを増加させ、この結果がch/pc比を小さくし、赤血球膜の流動性あるいは赤血球の変形能を高めていることを示している。このようなmechanismの存在は、これまで十分に知られていない知見であり、赤血球は血管内で動くことにより、赤血球の変形能を高めていることになる。したがって、血流の低下や停止は、逆に赤血球膜機能(流動性、変形能)の低下となる。この意味では、運動やトレーニングの必須的な条件は、赤血球膜機能の宿命に存在しているといっても過言ではない。
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[Publications] 岩垣丞恒: "Plasma particle imageにおけるjoggingの影響"体力科学. 49(6). 734 (2000)
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[Publications] 岩垣丞恒: "長距離選手における赤血球MCVとplasma HDL関係"東海大学スポーツ医科学. 13号(印刷中). (2000)
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[Publications] 岩垣丞恒: "長距離選手のplasma particle imageによるmetabolic fieldの検討"東海大学スポーツ医科学. 13号(印刷中). (2000)
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[Publications] 岩垣丞恒: "Decreases in Red blood cells in prolonged endurance training"Spectrum der sportwissecschaften. 11. 74-83 (2000)
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[Publications] 岩垣丞恒: "長距離選手のplasma TGの特徴"体力科学. 49(6). 697 (2000)
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[Publications] 岩垣丞恒: "長距離選手の平均赤血球容積(MCV)とplasma HDLの関係について"体力科学. 49(3). 451 (2000)
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[Publications] 岩垣丞恒: "Plasma particle imageについて"体力科学. 49(3). 451 (2000)
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[Publications] 岩垣丞恒: "長距離選手の赤血球指標の変化とその背景"シンポジウム「運動を維持するエナージエィクス」合同学会大会. 49 (2000)
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[Publications] 岩垣丞恒: "長距離選手の赤血球指標の変化とその背景"日本運動生理学会誌. (印刷中). (2000)
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[Publications] 岩垣丞恒: "「東京箱根間往復大学駅伝競走に関する総合的研究」"東海大学スポーツ医科学研究所報告書. 1-45 (2000)