1999 Fiscal Year Annual Research Report
冷刺激による速筋の選択的トレーニング法の開発に関する研究
Project/Area Number |
11680055
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
与那 正栄 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (30120158)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
室 増男 東邦大学, 医学部, 教授 (80112887)
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Keywords | 冷刺激 / トレーニング / 速筋線維 / 運動単位 / 閾値張力 |
Research Abstract |
1.冷刺敷による最大随意収縮ランプ負荷時(MVCランプ)のMotor Units(MUs)の活動様式の検討 今まで研究は30%MVCまでの結果であったが,実際のトレーニングに応用するために最大随意収縮ランプ負荷を行わせた。その結果,冷刺激により20%MVCまで参画する低い閾値張力を持つMUs(LT-MUs)は,有意な変化を示さなかった.しかし,20%MVCから60%MVCまでに参画する高い閾値張力を持つMUs(HT-MUs)は閾値張力の低下を示し,逆に60%MVC以降に参画するHT-MUsの閾値張力変化は除々に少なくなり,通常皮膚温時における閾値張力に近づいた。このことより,冷却刺激を用いることで従来,筋力トレーニング負荷として用いられている強度よりも低い強度でHT-MUsの参画が得られ,高い筋力トレーニング効果が期待できることが示唆された。 2.対側肢の冷刺激による実験肢MUs活動への影響の検討 ダイナミック運動は活動肢の筋活動を制御するために対側肢の感覚情報をも役立てている。そこで対側からの皮膚冷刺激が実験肢のMUs活動パターンに及ぼす影響について検討した。実験肢皮膚温を25℃,対側肢皮膚温を25℃へ各々低下させ,30%MVCランプ収縮を行わせた。その結果、MUsの閾値張力は,10%MVC以上の発揮張力において,通常皮膚温時に比べ実験肢冷却において有意に閾値張力の低下が見られた(p<0.05)。一方,対側肢冷却におけるそれらの変化はほとんど見られないか,あるいは閾値張力の増加傾向が見られた。この結果から,実験肢冷却はHT-MNに促通的影響を及ぼすが,対側肢冷却は抑制的に影響を及ぼすことが示唆された。従って,冷却トレー二ングを行う場合は,目的とする部分のみを冷却することがHT-MNに促通的に働き,トレーニング効果をあげることが示唆された。
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