2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11680060
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤井 勝紀 愛知工業大学, 基礎教育センター, 助教授 (10165326)
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Keywords | ウェーブレット補間法 / MPV年齢 / 初経年齢 / 運動選手群 / 対照群 |
Research Abstract |
【目的】前年度に引き続き女子スポーツ選手の初経遅延について検証することを目的にするわけだが、今年度は特にスポーツ種目別の選手の初経遅延を立証し、さらに、個々のスポーツ選手に対して身長のMPV年齢(思春期ピーク年齢)に対する初経年齢の回帰評価を適用して、初経遅延の評価を検討する。【方法】1、資料運動選手群として、高校在学中に優秀な戦績を修めた東海地区の女子大学1年生144名を対象に健康診断票の調査をし、小学1年から高校3年までの身長と体重の縦断的発育データを得た。また、アンケート調査により初経年齢と小学、中学、高校における運動実施状況を調査した。また、対照群として某女子大学1年生を対象に運動選手群と同様に調査され、78名の資料が得られた。2、解析手法1)身長のMPV年齢(Maxmum Peak Velocity:最大発育速度年齢)をウェーブレット補間法で特定する。2)MPV年齢を運動選手群と対照群で比較する。3)MPV年齢と初経年齢の差を求め、両群でその差を検討する。4)対照群において身長のMPV年齢に対する初経年齢の回帰評価を構築する。【結果および考察】先ず、運動選手群の初経年齢は12.75歳(SD=1.23)、対照群の初経年齢は12.11歳(SD=1.09)で両群においては有意差(P<0.05)が認められた。つまり、運動選手群の方が初経年齢は遅いことが示された。次に、身長のMPV年齢を両群で見ると、運動選手群は11.13歳(SD=1.04)、対照群は11.0歳(SD=0.96)で有意差は認められなかった。そして、このMPV年齢と初経年齢の差を両群で比較したところ、運動選手群で1.62歳(SD=1.25)、対照群で1.08歳(SD=0.74)となり明らかに有意(P<0.05)が認められ、運動選手の初経遅延が示唆された。さらに身長のMPV年齢に対する初経年齢の回帰評価をスポーツ種目別選手に適用したところ、50%以上の正の得点を示した種目はソフトテニス、ホッケー、陸上競技、バレーボールでありこれらの種目は特に強い初経遅延を生起していると推察された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 藤井勝紀: "女子スポーツ選手における初潮遅延の検証-運動選手群における初潮年齢と身長のMPV年齢の差の構図"第55回日本体力医学会大会予稿集. (2000)
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[Publications] 藤井勝紀: "-対照群における初潮年齢と身長のMPV年齢との差の構図-"日本体育学会第51回大会号. (2000)
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[Publications] 藤井勝紀: "-ある一仮説へのアプローチ-"東海体育学会第48回大会抄録集. (2000)
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[Publications] 藤井勝紀: "-ウェーブレット補間法による運動選手対照群における初潮年齢時の身長値の推定"第47回日本学校保健学会予稿集. (2000)
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[Publications] 藤井勝紀: "女子運動選手の初潮遅延に関する成長学的アプローチ"AUXOLOGY. Vol.7. 50-53 (2000)