2000 Fiscal Year Annual Research Report
有酸素運動が高次精神機能に及ぼす影響-視覚と聴覚P30単一施行解析-
Project/Area Number |
11680068
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Research Institution | Seinan Jo Gakuin University Junior College |
Principal Investigator |
八木 康夫 西南女学院短期大学, 英語科, 教授 (80200476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林田 嘉朗 産業医科大学, 応用生理学, 教授 (40047204)
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Keywords | 運動 / 反応時間 / 性差 / 感覚モダリティー / 事象関連電位 / 高次情報処理 |
Research Abstract |
(研究目的)有酸素運動が高次情報処理過程に及ぼす影響を検討する目的で、視覚のオドボール課題に対する反応時間と、脳波上に現れる事象関連電位の各成分と頭皮上分布について単一試行毎に解析した。 (方法)健康女子7名、男子7名を対象(20±1歳)とし、脳波をFz、CzとPzで記録した。被験者に各10分間の安静期と運動期(自転車エルゴメータ、1kp、50回/分)にそれぞれ視覚(標的:黄丸20%、非標的:白丸80%)と聴覚(標的:2kHz音20%、非標的:1kHz音80%)のオドボール課題を施行した。計測は単一試行毎に反応時間と脳波の各成分の潜時を測定し、刺激の提示パターンで比較した。 (結果)反応時間は標的が(1〜4回)連続する単純反応と、非標的(1〜5回)後の標的に反応する選択反応で異なった。単純反応の場合、反応時間は運動期に有意に短縮した。選択反応の場合、標的が連続する単純反応時及び連続しない選択反応時の反応時間は運動期で有意に短縮した。N1、N2とP3潜時は単純反応で運動期に有意な短縮をした。先行報告の単純反応の反応時間と一致し、単純反応の反応時間は運動期で短縮した。 (考察)運動期の反応時間の短縮は体温上昇に伴う神経伝導速度の促通が関係すると思われ,単純反応の運動期の反応時間減少は、認知及び評価の過程で短縮し、選択反応時の反応時間の減少は評価の過程と反応の過程の短縮していると考える。 (今後の展開)平成13年度においては、男子と女子、そして聴覚と視覚の刺激とのカウンターバランスをとりながら対象者を増やしてゆき、運動中の二つの感覚の情報処理の性差と、感覚モダリティーの相互関係の検討に、本研究は進展することになる。
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