2001 Fiscal Year Annual Research Report
有酸素運動が高次精神機能に及ぼす影響―視覚と聴覚P3の単一施行解析―
Project/Area Number |
11680068
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Research Institution | Seinan Jo Gakuin University Junior College |
Principal Investigator |
八木 康夫 西南女学院短期大学, 英語科, 教授 (80200476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林田 嘉朗 産業医科大学, 産業生態科学研究所, 教授 (40047204)
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Keywords | ERP / P3 / Reaction time / Heart Rate / Esophageat temperature / Exercise |
Research Abstract |
著者らは反応時間およびERP-P300が運動中に短縮することを発見し(Yagi,1999)したが、この短縮に運動中の体温上昇が関係しているか単一施行解析法を用いた聴覚ERPに平行して食道温を測定して検討を行った。健康な男子8名と女子10名の大学生(平均18.8±0.8才)にコントロール期と運動期に聴覚オドボール課題を行わせた。運動は自転車エルゴメータ(1kp,60回/分)を用いて10分間行われた。EEG, EOG, ECG, 食道温反応時間がコントロール期と運動期のオドボール課題中に同じに測定された。心拍数は運動期に64±10bpmから105±13bpmに増加し、本研究の運動は有酸素な運動であった。食道温は運動中に36.7±0.1℃から37.2±0.3℃(n=6)に増加した。N1とN2、P3潜時、反応時間は運動期にそれぞれ4.2%、7.1%、7.8%、10.2%短縮した。温度係数Q_10のN1の値は1.7±0.4(n=6)を示し、この値は27から37℃に温度が増加した時の神経繊維の伝導速度の範囲(1.4-2.3)内にあった。しかし、N2とP3、反応時間の短縮はその範囲を超えており、温度上昇だけによって短縮が引き起こされたものではなかった。これらの結果からN1潜時の短縮は運動時の体温上昇によると考えられ、また、N2とP3潜時、反応時間の短縮は体温上昇に加えて、運動によるgeneral arousalによると考えられる。
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