2000 Fiscal Year Annual Research Report
南アジア,インドの農村女性の労働と家畜経済に関する研究
Project/Area Number |
11680075
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
中里 亜夫 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (60044343)
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Keywords | インド / 農村女姓 / 女姓酪農協同組合 / 白い革命 / 農村繁栄 / 砂漠化 / ヤギ飼育 |
Research Abstract |
南アジアは、宗教的な違いはあれ、いずれも男性優位社会の特徴を濃く残している世界である。近年の家畜飼育の発展、特にミルクの生産と山羊飼育には目を見張るものがある。本研究では、インドの農村女性と発展する家畜経済との関係を中心にしながら、バングラデシュやパキスタンをも視野に入れた研究をおこなった。 一年目の研究は、「インド・グジャラート州の女性酪農組合の展開-アムダーヴァード県ドゥーマリ村の女性酪農協同組合の分折-」(福岡教育大学紀要 第50号 第2分冊、pp.47-68)に集約される。そこでは。インドの女性酪農協同組合の設立経緯を、第一期:アムール酪農と女性組合員(独立時から1970年代)、第二期:NGOの組織化による女性酪農協同組合(1970年代後半から1980年代)と第三期:中央政府のSTEPプロジェクトによる女性酪農協同組合の激増(1990年代以降)に分け、特に第二期でのインド最大のNGOであるセワ(自営女性労働者協会)の指導で設立されたドゥーマリ女性酪農協同組合を取り上げ、現地調査の結果を女性労働とミルク経済との視点から整理・まとめた。 二年目は、ヤギ飼育に関して資料調査を行い、「ヤギは砂漠化の犯人か-ヤギ飼育と農村繁栄-」(印刷中)を研究成果の一つとした。「ヤギ悪玉説」が結局は1992年のニューデリーで開催された「第五回国際ヤギ学会」で否定され、「ヤギ善玉説」が承認されたことを中心にまとめ、広島大学インド農村調査の基本資料を収集はしたが、それらの分析は出来ず、第五回国際ヤギ学会で出版された膨大なレポートを整理するだけに終わった。 当初に考えていた以上に「女性労働と家畜経済」との関係は深く、特に1990年代の自由化政策による商品経済の進展で一段とその関係は強化されている。今後、南アジアの農村女性研究にとって家畜経済研究が重要な役割を果たすであろう。
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Research Products
(1 results)