2000 Fiscal Year Annual Research Report
労働市場との関係でみた港北ニュータウンの主婦の生活時間・生活空間
Project/Area Number |
11680078
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
杉浦 芳夫 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (00117714)
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Keywords | 時間地理学 / ジェンダー / 就業主婦 / 労働市場 / 郊外 / 港北ニュータウン |
Research Abstract |
本研究は,港北ニュータウンに住む世帯を対象にして,平日と休日の生活時間ならびに生活空間の調査を通し,東京の西の郊外「第四の山の手」に住む専業主婦と就業主婦のライフ・スタイルの違いを明かにすることを目的とするものである。データは,2000年1月中旬に横浜市都筑区港北ニュータウン区域に住む155世帯の協力を得て実施したアンケート調査を通して入手している。アンケートの主な質問項目は,夫と妻の生活時間のほか,世帯属性,夫と妻の就業意識,就業主婦の就職情報入手経路,世帯転居歴などである。分析対象となった20歳代後半〜40歳代後半の主婦のいる世代は,夫婦とも高学歴であり,港北ニュータウンに定住するまでに様々な転居プロセスをくり返している。平日における就業主婦と専業主婦の時間収支には当然のことながら違いがあり,前者は就業のために時間が多く使われる分,家事などの家庭内での生活時間は後者より短い。しかし,就業主婦は限られた時間を有効に使うために省力化のための工夫をこらしている。一方,専業主婦は家事・子育てなどに就業主婦よりも多くの時間を使いつつも,けいこごとや友人・知人との語らいにも一定の時間をさいている。それに伴って,平日の専業主婦の生活空間は港北ニュータウンを越えて横浜市内や東京世田谷区までかなりの広がりを有している。また,両方の主婦層を通して,インターネットの利用に時間をさいている人が予想以上に多いことも大きな特徴である。
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