2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11680091
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
佐藤 芳徳 上越教育大学, 学校教育学部, 教授 (40143185)
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Keywords | 湖水 / 酸性化 / pH / 上越地方 / 湖環境 |
Research Abstract |
本研究は、湖水のpH値が現在どのような値をとり、その値はどのような因子により決定されるかについて考察することを目的として行われた。研究対象の湖として、日本海側の湖、主に新潟県上越地方の湖を取り上げ、その成因や位置、湖の水収支、各イオン成分との関連、水素及び酸素の同位体等について多角的に考察した。比較のために、気候区分的に日本海側と太平洋側の境界地域にある野尻湖、太平洋側気候にある榛名湖、赤城大沼及び小沼を取り上げた。また、参考資料として、湖周辺で湖と関連が深いと考えられる湧水についても採水しその水を分析した。本調査は1999年11月と2000年5月の2回実施し、その他にも予備調査、追跡調査を適宜実施した。 その結果、以下のことが明らかとなった。 1 湖水のpH値分布において、明らかに酸性を呈する湖が認められた。ただし、季節的な変動が大きく、直ちにこの結果を酸性雨と結び付けるには、さらに継続的な調査研究が必要である。 2 湖水のpH値の形成には、湖水の滞留時間が大きな因子であり、降水が短時間のうちに流入する湖でのpH値は低かった。また、集水域の地層が関連しているほか、人為的な影響も強く受けていることが明らかとなった。 3 電気伝導度の値は、その湖の位置や成因と密接に関連しているほか、水収支や集水域での水の滞留時間の影響を受けていた。 4 湖水のpH値と各イオン成分との間に、強い相関はあまり認められない。 5 同位体組成において、日本海側と太平洋側の湖での相違が明らかとなった。 なお、同位体分析結果では、これまでに明らかにされてきた内容と異なる部分もあり、今後さらに調査検討が必要である。
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Research Products
(1 results)