2000 Fiscal Year Annual Research Report
高齢化社会に向けての高機能オムツ素材の開発に関する研究
Project/Area Number |
11680102
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
仲西 正 お茶の水女子大学, 生活科学部, 助教授 (90198143)
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Keywords | オムツ / ゲル / ポリビニルアルコール / ポリエチレンオキシド / 吸水性 / 溶質特異的膨潤挙動 / アニオン界面活性剤 |
Research Abstract |
本研究は,ゲル材料からなる高齢者に適した高機能オムツ素材開発の設計指針を得ることを目的とする.昨年度は,ポリビニルアルコール(PVA)とポリエチレンオキシド(PEO)水溶液にコバルト60のガンマー線を照射してハイドロゲルを調製し,尿のモデルである,純水,アルカリ金属塩,アルカリ土類金属塩,尿素などの水溶液に浸せきし,膨潤度を測定した.膨潤度は,科学研究費補助金により購入した倒立顕微鏡を用い,溶液に浸せきした状態で円柱状ゲルの直径を測定して得た.その結果,溶質特異的な膨潤挙動,例えば,PVAゲルが,2価金属の臭化物では膨潤し,硫酸塩では収縮するなどの興味深い知見を得た.本年度は,当初の計画ではゲルの膨潤度とゲルの物質収着性との関係を検討する予定であった.しかし,PEOゲルが,収着物質として選んだドデシル硫酸ナトリウムなどのアニオン界面活性剤水溶液中において,その臨界ミセル濃度付近以上で急激に膨潤することを観察したので,それに関して添加塩の効果などの基礎的知見を得ることを目的として実験を行った.それに加えて,昨年度と本年度に得られた実験結果に関して,溶液中の溶質や電解質とゲルとの相互作用および水分子を通しての相互作用などを考慮し総合的に考察を行った.ゲル材料の吸水メカニズムの詳細な検討より,高齢者用オムツに適した素材として,また,新たな高機能生活材料としてのゲル材料利用の可能性を見出した.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 仲西正,増田陽子: "ポリエチレンオキシドゲルの膨潤挙動"日本学術振興会繊維・高分子機能加工第120委員会年次報告. 50卷. 21-23 (1999)
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[Publications] 平林こずえ,仲西正: "ゲルと界面活性剤の相互作用"生活工学研究. 2卷2号. 74-77 (2000)
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[Publications] 平林こずえ,増田陽子,仲西正: "界面活性剤水溶液中におけるPEOゲルの膨潤挙動"日本学術振興会繊維・高分子機能加工第120委員会年次報告. 51卷. 47-50 (2000)