公的介護保険制度下での高齢者介護の担い手に関する実証的研究

1999 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 11680105
• Research Institution: University of Fukui
• Principal Investigator: 高田 洋子 福井大学, 教育地域科学部, 教授 (80171445)
• Keywords: 介護保険制度 / 介護労働者

Research Abstract

本研究は、公的介護保険制度化で、高齢者の介護に関わる介護労働者を、質量ともに十分に確保しようとする際に、どのような課題があるのかをさぐり、指摘しようとするものである。
平成11年度は、公的介護保険制度実施前の調査を行い、介護労働における家事労働の延長的生活と介護保険制度のもとで要請されるであろう、より専門的知識や技術をもった労働としての性格を取り上げ、現在展開されている介護労働におけるその「おりあい」の現実を参照する。介護サービスの供給主体別に、問題を現実的に実証した。
以下のような内容で研究を進めた。
(1)介護保険制度の内容について整理した。
(2)既存の諸研究の整理を行った。
介護保険導入に際し、介護労働に関する議論が積み重ねられているので、文献や報告書によってその経過と論点、今後の想定される課題を整理した。さらに海外において既に類似の制度を採用し、展開中の諸国もあるので、その経験を整理した。
(3)現在の段階で展開されている介護サービスの供給に現場で携っている市町村や介護サービス事業者(自治体、団体・NPO、企業)の労働者、管理者、およびそのサービス受給者に、介護サービスの内容上の問題点と介護労働の問題を面接によって聞き取り整理した。