2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11680120
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
加藤 雪枝 椙山女学園大学, 生活科学部, 教授 (10065021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
雨宮 勇 椙山女学園大学, 生活科学部, 助教授 (80247600)
橋本 令子 椙山女学園大学, 生活科学部, 助教授 (80139964)
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Keywords | 室内空間色 / 被服の色 / 音楽 / 照度 / α波 / 心電図 / SD法 / ストレス |
Research Abstract |
被服の色彩が人体に及ぼす心理的・生理的影響 加藤雪枝 被服の色彩が人体に与える心理的、生理的影響を明らかにするため、生理学反応評価と心理学的評価の関係を検討した。色の異なる被服を着装した場合と着装して鏡で自分の姿を認識した場合では、後者のα波含有率が抑制される。着装のみでは黄のα波含有率が最も喚起された人が15名中5名であり、黒が4名で多い。鏡で確認した場合は緑が7名であり、これらの色はリラックスできる色である。1/Fゆらぎは白、黄、青に多く見られた。心電のLF/HF成分は着装のみと鏡で確認した場合共に暖色系あるいは寒色系の色でリラックスできる人に大略分けられる。生理的反応であるα波含有率、1/Fゆらぎ、LF/HF成分と心理反応である因子分析結果の個人的対応を調べたところ、解放性の因子との関連が認められた。 音楽による快適性の研究 橋本令子 ヒーリング音楽を調査によって6曲選定し、快適と感じる音楽について生理・心理学的に検討した。α波含有率は、音楽開始前に比べ音楽開始後はどの曲も聴取と同期して増加する。しかし音楽終了後に差異が見られ、α波含有率が増加する音楽と減少する音楽に2分された。音楽終了後、α波含有率が増加した音楽は、1/fゆらぎも増加する被験者の割合が高く、左脳で顕著に確認できた。この時の心拍変動は、音楽を聴いている間の値が低く、リラックス状態を示した。音楽聴取後の心理状態と生理反応を対応させると、音楽終了後、α波出現率が高くなる音楽は安らぎ感、快適感があり、低くなる音楽は高揚感がある傾向が認められた。 日常空間モデルでのストレスの実験 雨宮 勇 平成11年に行なった空間モデルと同じサイズの日常空間(ソファー、カーテン、テーブルなど)を設定・使用し、その空間の照度や色彩の違いが人にどのように快適感をあたえるかを、脳波・心電図・SD法などを使って実験を行った。照度は20Wの昼白色蛍光灯色温度5000ケルビンを使用し、これを1灯・2灯・3灯・4灯・6灯の5段階の明るさで実験を行ったが、50lx〜4500lxの日常に体験する範囲での照度では、快適感の違いを見つけることはできなかった。次に、内装(壁・床)仕上げ材の色彩の違いを昨年同様ブルー・ピンク・オフホワイトの3色の空間とし、実験を行った結果、ブルーとオフホワイトのいずれかを好むグループに分かれることが明らかになった。
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