2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11680121
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Research Institution | Sugiyama Jyogakuen University |
Principal Investigator |
高阪 謙次 椙山女学園大学, 生活科学部, 教授 (30034820)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩佐 和代 椙山女学園大学, 生活科学部, 助教授 (90139965)
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Keywords | 特別養護老人ホーム / 入居者 / 衣生活 / 着装 / 生活の場 / ノーマライゼーション |
Research Abstract |
本年度は、特別養護老人ホーム(以下「特養」)での衣生活が、一般(在宅生活者)とどの程度、隔たりがあるかを明らかにするために、愛知県内の特養T施設のデイサービス利用者を対象に、昨年11月にアンケート調査を実施した。その調査内容は、昨年度とほぼ同様である。 その結果、デイサービス利用者の日常着衣は、男女とも特養入居者とほぼ同様で、そのアイテムも少なく、パジャマや寝間着姿で過ごす人もかなりみられた。また、化粧やアクセサリーも同様で、装い意識が低いことがわかった。しかし、アクセサリーの着用において、特養は施設内、デイサービス利用者は外出時が多く違いがみられた。また、ヘアスタイルは、いずれも男女ともショートが多かった。が、デイサービス利用者の中には、パーマやヘアカラーを施しているが多く、また、要介護度の高い人でも散髪を理・美容院で行う人がみられ、特養入居者より、ヘアに気を使ったり、外出や対人の機会が多いことがわかった。また、デイサービス利用者の日常の身だしなみについては、家族などの周囲の協力によるものが目立った。次に、外出と身だしなみの関係をみると、特養入居者では、外出時に身だしなみを整える人が多いのに対し、デイサービス利用者は、外出回数が多い人ほど日常と変わらないという傾向で、自由に生活している様子が伺えた。しかし、要介護度の高い人の中にも身だしなみを整える人もあり、環境の違いにより個人差が大きいものと考える。さらに、デイサービス利用者も特養入居者同様、衣に携わる人ほど身だしなみを整えたり、その意識が高いことがわかった。以上、デイサービス利用者の衣生活実態からも特養入居者の装い意識を高めるためには、衣に携われる環境作りが重要なことと、さらに、介護者や地域などの周囲の協力やその基準となる介護方針・指針などが必要であると考える。
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