2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11680127
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
島田 淳子 昭和女子大学, 大学院・生活機構研究科, 教授 (60017233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
香西 みどり お茶の水女子大学, 生活科学部, 助教授 (10262354)
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Keywords | 米飯 / 酢酸 / タイ米 / 破断強度 / クリープメータ |
Research Abstract |
酢酸添加による米飯物性の変化をより詳細に検討し、物性変化の機構について考察した。試料として、アミロース含量の高いタイ米、滋賀県産日本晴、新潟産コシヒカリおよびもち米(佐賀県産ヒヨクモチ)を用い、各200gを洗米後、0および0.2M酢酸水溶液を加えて炊飯した。炊飯後の米飯の物性をクリープメータを用いて測定した。すなわち、米飯一粒をせん断し、破断強度解析(一粒法)を行った。また、プランジャーを一粒の飯の表面から一定速度で引き離し、引き離すのに要する力(付着荷重)および歪み率を測定し、米飯の粘りを評価した。さらに米飯20gを一定の形に整形後、圧縮して破断強度解析(集合法)を行った. この結果、酸添加の効果は米の種類によって大きく異なった。タイ米の飯粒の破断荷重は大きく減少し、飯粒の付着荷重および飯集合の破断荷重は増加した。しかし、付着歪みはあまり変化せず、一部に見られた顕著なもろさ荷重にも変化が見られなかった。一方、ヒヨクモチでは、飯粒の破断荷重および付着荷重には大きな影響が見られず、付着歪みにおいて顕著な増加が見られた。他の2種はこれらの中間にあった。 米からアルカリを用いてたんぱく質を抽出し、SDS-PAGEで検討すると、プロラミンおよびグルテリンと推測される画分が主成分であり、これらは酸処理によって浸漬液に溶出してくることが認められた。溶出量は炊飯中の温度が上昇すると一層顕著になった。 以上より、酢酸添加による米飯物性改良効果の原因の一つとして、酸によりたんぱく質が水溶液中に溶出し、デンプンがより膨潤しやすくなったことがあげられた。
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