2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11680130
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
新井 映子 静岡大学, 教育学部, 助教授 (90134783)
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Keywords | 米 / 米飯 / 早刈り / オリゴ糖 / 糖質分解酵素 |
Research Abstract |
前年度の研究において,いわゆる収穫適期に収穫した米よりも,10日前早刈りした米の方が米飯食味が優れていることを明らかにした.本年度は,早刈りから遅刈りまで収穫時期を変えた2品種の米について,米飯食味の変化を明らかにするとともに,その変動要因について解明することを目的としてた.供試米には,広島県立大学の実験圃場で栽培されたコシヒカリと中生新千本を用いた.出穂後28〜49日間に3日間隔で収穫した8種類の供試米について,玄米の千粒重,白度,未熟粒,死米,着色粒,胴割粒および剛度,精白米の色,タンパク質量,タンパク質組成,アミロース量およびα-アミラーゼ活性を測定した.精白米を1.5倍加水で炊飯した米飯について,テクスチャー,糊化度および粘り物質と飯粒中の遊離糖量と遊離アミノ酸量を測定した.その結果,コシヒカリでは,対照米(出穂後40日目に収穫)よりも6日および9日前早刈り米で米飯の粘りが増すとともに,粘り物質中にマルトオリゴ糖を含む遊離糖量が増加し,食味の向上が認められた.一方,遅刈り米は,対照米よりも粘り物質中の遊離糖量が減少し,食味の低下が認められた.これらの変動要因のひとつとして,α-アミラーゼ活性に影響をあたえるタンパク質の溶解性の差が示唆された.中生新千本の場合も、コシヒカリと概ね同様の結果となり、早刈り米で米飯中に遊離糖量の増加が確認された.以上の結果を総合して,米を収穫適期よりも10日間程度早く収穫することにより,米飯の食味を向上できることが明らかとなった.
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