1999 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠、授乳期の食生活が骨代謝、骨密度へ及ぼす影響-介入研究
Project/Area Number |
11680131
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
米山 京子 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (30079743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 順子 京都文教短期大学, 家政学部, 教授 (30076880)
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Keywords | 骨密度 / カルシウム栄養 / 妊娠 / 食生活 / 母体保護 / 超音波骨密度測定 / 蛋白質栄養 / 介入研究 |
Research Abstract |
市内の1産婦人科にて、妊娠初期の妊婦45人について、妊娠初期および妊娠中期に妊娠中の栄養摂取、身体活動についての介入指導を行い、実際の摂取食品の種類、調理法、摂取量および家事従事時間、1日総歩数について、妊娠前半期と後半期に3日間づつの2回記録、および妊娠全期間について2週間毎に、各指導項目について達成の程度を3段階による自己評価を依頼した。併せて、周産期状況、開始時と出産時の2回超音波法による骨密度の測定、開始時と妊娠中期と出産時の計3回、血液、尿中骨代謝指標、PTHホルモンを測定した。主な結果は、 1.食品摂取達成度スコアによると、妊娠前半期、後半期ともに、肉類、卵類の蛋白質源食品の摂取量が多い程、骨密度は有意に低下した。カルシウム源食品の摂取量は、骨密度変化量と関連は認められなかったが、蛋白質摂取量に対する比(Ca/蛋白質)とすると、妊娠前期、後期ともに骨密度変化率と有意の正相関を示し、蛋白質量にたいしてCa摂取量が少ない程、骨密度低下が大きいことが判明した。 2.3日間の栄養素摂取量においても、骨密度に対して、蛋白質とCa摂取量の比とした場合、1.とほぼ同様の関係が認められた。なお、妊娠後期ではCa摂取量のみでも骨密度変化率と有意の正相関、即ちCa摂取量が多い程骨密度低下が少なかった。 3.出産時の骨密度低下量と出産児の身長、体重とは有意に負相関が見られ、骨からのCaが胎児に移行したことが推測された。 4.乳、乳製品摂取量が少ない場合、血清中のPTHが高く、骨吸収が亢進することが示された。
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