2000 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠,授乳期の食生活が骨代謝,骨密度へ及ぼす影響-介入研究
Project/Area Number |
11680131
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
米山 京子 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (30079743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 順子 京都文教短期大学, 家政学部, 教授 (30076880)
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Keywords | 骨密度 / カルシウム栄養 / 妊娠 / 授乳 / 母乳栄養 / 超音波骨密度測定法 / 介入研究 |
Research Abstract |
A施設で出産した健康な産褥婦18人および母乳栄養相談室(施設B)を訪れた出産後12週以内の婦人26人計44人を対象として骨密度測定を、施設Aでは出産後1週、施設Bでは出産後12週以内に第1回目を行い、それぞれ6カ月後に第2回目を行った。測定には超音波骨密度測定装置を用いStiffness値を骨密度の指標とした。また、1日にカルシウムを1100mg摂取するように食品名、料理名を示して個別に指導した。開始時と6ヶ月後に尿中CaとHydroxypro1ineを測定し、Creatinineで補正した値(Ca/Cre、HP/Cre)を用いた。6ヶ月後の時点で「母乳のみ」の者を授乳群、それ以外を非授乳群とした。 1.蛋白質およびカルシウム摂取量の平均値は授乳群で86.7g、1031.9mg、非授乳群では69.6g、644.8mgであった。 2.授乳群の6カ月間授乳後の骨密度変化率は第1子で-4.0%(t-test、p=0.085)、全体では-1.6%であった。非授乳群では第1子で+7.0%(t〜0.073)であった。 3.授乳群において各栄養素摂取量と骨密度変化率との関係が比較的大きかったのは、Caのみで、骨密度変化率とr=0.293(p=0.083)の正相関がみられた。 4.開始時、6ヵ月後の尿中H.P/Creはカルシウム摂取量とr=0.498(p=0.007)、r=0.289(p=0.085)、蛋白質摂取量とにおいてはr=0.386(p=0.031)、r=0.346(p=0.049)といずれも有意の正相関がみとめられた。すなわち、カルシウム摂取量、蛋白質摂取量が多いほど骨代謝が亢進したことを示した。
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