2001 Fiscal Year Annual Research Report
妊娠,授乳期の食生活が骨代謝,骨密度へ及ぼす影響―介入研究
Project/Area Number |
11680131
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
米山 京子 奈良教育大学, 教育学部, 教授 (30079743)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 順子 京都文教短期大学, 家政学部, 教授 (30076880)
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Keywords | 骨密度 / カルシウム栄養 / 妊娠 / 授乳 / 母乳栄養 / 超音波骨密度測定法 / 介入研究 |
Research Abstract |
乳、乳製品非摂取群(N群)、介入(栄養指導)により栄養摂取状況良好の群(M群)および対照として非授乳群の3群について、縦断的に骨密度測定および栄養調査、尿、血液中骨代謝物質の測定を継続して行った。 1. 第1子出産ではN、M群いずれも授乳により低下した。N群(非摂取群)では、明らかに低下度が大きく離乳の半年後の回復程度も低かったが(K群:-2.5%、N群:-5.9%)、有意差は見られなかった。第2子出産ではK群は授乳中上昇したのに対し、N群は極端に低下し、K、N群間の相違は高度に有意であった。18ヵ月後の測定では3群とも開始時より高く回復した。 2 授乳期間中および断乳後の3日間の栄養素摂取量の栄養素摂取量と断乳後6カ月間の骨密度変化率との関連は見られなかった。骨密度変化率とエネルギー当たりの脂質と糖質では、脂質で負、糖質で正、すなわち脂質が少なく糖質が多い場合回復率が高い傾向が見られた。カルシウムおよび乳、乳製品摂取量と骨密度変化率では関連は見られなかった。 3. エネルギー当たり脂質摂取量と尿中HP/cre間にはr=-0.68、n=11の負の有意相関が見られ、脂質摂取の多い場合骨代謝が低く骨形成も低いことが推測された。 4. 1年時のM群ではC群に較べBone alkaline phosphataseが高く骨形成が亢進していることが示唆されたが、Osteocalcineでは12カ月では開始時に較べ幾分高かったが、大きな相違はなかった。PTHもすべての時期間で平均値に相違は見られなかった。18カ月のEstrogenが特に高い場合、骨密度回復率が高かった。 5. HP/creは、開始時は3群ともかなり高いが、C群では6カ月、K群では12カ月、N群では18カ月で妊娠初期との有意差は見られなくなった。
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