1999 Fiscal Year Annual Research Report
キノコ・海草類の食物繊維の理化学的特性と糞便の特性・腸内移動速度
Project/Area Number |
11680134
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
堀 康二 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (20036908)
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Keywords | 総食物繊維 / 水溶性食物繊維 / 水中沈降量 / 保水量 / キノコ / 海草 |
Research Abstract |
総食物繊維はキクラゲ55%、アラキクラゲ94%、シロキクラゲ78%、シイタケ65%、マイタケ60%、コンブ48%、ワカメ72%、ヒジキ89%、テングサ61%、粉末テングサ寒天92%を占めていた。一方、血中コレステロール濃度上昇抑制作用があり、生理的に重要であると考えられる水溶性食物繊維を0.25%蓚酸アンモニウム-蓚酸で抽出すると、キクラゲ5%、アラキクラゲ18%、シロキクラゲ44%、シイタケ8%、マイタケ5%、コンブ31%、ワカメ47%、ヒジキ36%、テングサ30%の抽出物が得られた。 水での水中沈降量(ml/g)はキクラゲ30、アラキクラゲ14、シロキクラゲ25、シイタケ18、マイタケ19、コンブ17、ワカメ46、ヒジキ15、テングサ12、粉末テングサ寒天17であった。保水量(g/g)はキクラゲ12、アラキクラゲ11、コンブ11、ワカメ24、テングサ5であった。水中沈降量、保水量は測定すると溶媒のpHにより変化した。 キクラゲとアラキクラゲの粘弾性(V型プランンジャー使用)は、硬さ(kg)1.64と2.79、凝集性0.71と0.64、弾力性7.76と9.04、咀嚼性903と1614であった。 日常消費されているキノコや海草の中には0.25%蓚酸アンモニウム-蓚酸可溶の水溶性食物繊維に富むものがあり、糞便を柔らかくし、便秘改善の効果が期待できる。 キノコ・海草類の食物繊維の重要性を再認識し、生活習慣病の予防、健全な食習慣育成のために、幼児・児童期から食物教育を導入し、同時に家庭科の授業における食物教育の充実のために、キノコ・海草類を用いた教材開発などの工夫が必要である。
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