2000 Fiscal Year Annual Research Report
キノコ・海草類の食物繊維の理化学的特性と糞便の特性・腸内移動速度
Project/Area Number |
11680134
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
堀 康二 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (20036908)
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Keywords | 食物繊維 / 可溶性食物繊維 / キノコ / アラキクラゲ / 海草 / 腸内移動速度 / 糞便水分量 / 家庭科 |
Research Abstract |
食物繊維としてセルロースを与えたものに比べキノコを与えたものでは、キノコの種類による差はなく、腸内移動速度が約1.6倍に長くなった。一方、キノコを与えた方が糞の水分量が増えた。キクラゲよりもアラキクラゲの方が糞の水分量を増加させた。これは蓚酸塩-蓚酸可溶性食物繊維(OOSS)の効果によるものと考えられる。大腸を刺激し便秘を予防する効果は、不溶性のセルロースなどによるものであるということが言われている。しかし、ペクチンやOOSSのような水溶性食物繊維は糞便の腸内移動速度を促進する効果はセルロースより小さいが、糞便量と水分量を増加させ、便秘を防ぎ、種々の食物繊維の生理効果を発揮するものと予想される。調べたキノコ類は抗酸化力および還元力も有していた。 日本人も韓国人も多くの者がキクラゲを知っていた。日本人はアラキクラゲをキクラゲとして認識する者が多かったが、アラキクラゲをキクラゲと認識する韓国人の割合は少なかった。両キクラゲに対する嗜好性は日本人では大差がなかったが、韓国人は外観と総合評価でアラキクラゲに低い評価をした。 小学生から高校生まで、食物繊維という言葉を知っている者は多いが、キノコや海草を食物繊維の多い食品としてはとらえていなかった。日本も韓国も大部分の大学生が家庭科の授業を通して食物繊維を知った。両国の大学生もキノコ・海草を食物繊維供給食品として認識する者は少なかった。食物繊維を摂取する理由は特に無いという者が日本人高校生で多かった。日本・韓国の女子学生は便秘予防のため食物繊維を摂取するの割合が高かった。 食物繊維の生理的役割、食物繊維摂取の重要性などを小学校・中学校あるいは高校で教えることが必要である。また、キノコ・海草を食物繊維供給食品として再認識しなければならない。
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