2000 Fiscal Year Annual Research Report
植物成分による有害性有機化合物の吸収・代謝・排泄に対する修飾作用
Project/Area Number |
11680136
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
木苗 直秀 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (00046286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下位 香代子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助手 (10162728)
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Keywords | 抗酸化性 / フラボノイド / アオサ / MX / ベンツ(a)ピレン / 吸収 / 代謝 / 排泄 |
Research Abstract |
我々の生活環境中に存在する多種多様の化学物質が、飲料水、食品、大気を通して日常的に人体に取り込まれ、突然変異・がんをはじめ催奇性、内分泌攪乱作用などを誘発している可能性が指摘されている。我々は初年度に、有害性有機物として変異・がん原性を有するベンツ(a)ピレンや3-chloro-4-dichloromethyl-5-hydroxy-2(5H)-furanone[MX]に着目して、それらのセルロース、リグニン、キチン、各種茶葉抽出物に対する吸着能を検定した。 本年度は各種フラボノイドの生体内における吸収、代謝分解能を培養細胞およびラット、マウスの個体で検討した。その結果、フラボノイドの化学構造に依存するものの、30分-2時間後に血中濃度が最大値を示すこと、さらに遊離型、抱合型として体内を移動し、硫酸抱合体、グルクロン酸抱合体として排泄されることを確認した。植物体として新たに浜名湖産緑藻類のアオサ(Ulva pertusa)より、メタノールおよび水抽出物を調製し、それらの抗酸化性、ラジカル捕捉活性、腸内細菌(特にHelicobacter pylori)に対する増殖抑制能を調べた。その結果、アオサのメタノール抽出物が上記3つの生物活性を示すことを明らかにした(日本農芸化学会2001年度大会発表、2001年3月、京都)。さらに、現在アオサ中のクロロフィルを含む活性成分の分離同定とともに、ラットのえさに添加し、ベンツ(a)ピレン、DDTおよびMXを投与した場合のそれらの吸収・代謝・排泄効率等について検討している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Miyake Y.,Kinae N., et al: "Identification and antioxidant activity of flavonoid metabolites in plasma urine of eriocitrin-treated rats."J.Agric.Food Chem.,. 48. 3217-3224 (2000)
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[Publications] Arai Y.,Kinae N., et al: "Dietary intakes of flavonols, flavones and isoflavones by Japanese women and the inverse corrlation between quercetin and plasma LDL cholesterol concentration."J.Nutr.,. 130. 2243-2250 (2000)
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[Publications] Shimoi K.,Kinae N., et al: "Metabolic fate of luteolin and its functional activity at focal site."Biofactors. 12. 181-186 (2000)
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[Publications] Kinae N., et al: "Functional properties of wasabi and horseradish."Biofactors. 13. 265-269 (2000)
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[Publications] 下位香代子,木苗直秀: "植物フラボノイドの最新機能研究"食品と開発. 35(6). 8-10 (2000)