1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11680150
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Research Institution | Otsuma Women's University Junior College Division |
Principal Investigator |
高橋 ユリア 大妻女子大学短期大学部, 家政学部, 助教授 (80236330)
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Keywords | 摂食障害 / 食 / ストレス / 生活環境 / 心理変化 / 毛髪 / 亜鉛 / ミネラルバランス |
Research Abstract |
1.摂食障害者の毛髪中ミネラルバランスを経時的に分析を行い、同時に生活環境の変化や心理変化を調査し、以下の結果が得られた(THE 10TH BIENNIAL INTERNATIONAL CONGRESS OF ARAHE 1999発表) (1)心療内科において、最も重症であると診断された患者の毛髪中ミネラルバランスは大きく乱れ、亜鉛含有値の低下が認められた。 (2)回復状態の良好であった患者の毛髪中ミネラルバランスの乱れは少なく、亜鉛含有値も増加していた。 (3)毛髪中含有亜鉛値の変動から、摂食障害症状の程度とストレス度との関連が示唆された。 (4)摂食障害者における「食」は自分の生活環境や心理状態を他人に伝える情報伝達の要因を持っていた。 2.過食症者の手記の中にみられる食に対するストレス表現を分析することにより、食の持っている意義の側面を追求し、以下の結果が得られた(大妻女子大学紀要-家政系-36,2000)。 (1)生活の喜怒哀楽すべての感情が食欲につながり、過食行動を起こすことにストレスを感じていた。 (2)食べることにより、自分の気持ちの満たされない空洞を埋めるような、安らぎ感を味わっていた。過食行動はストレッサーでもあり、ストレス解消法でもあった。 (3)自分は過食症という病気であり、この病気が治ってしまうと誰からも優しく対応してもらえないと考えていた。過食行動は自己の存在感のアピールや、自分を表現する手段の一つであった。 (4)食べ物を買うために多額のお金を浪費することに、親への罪の意識を感じると同時に、自分の過食行動は、乳幼児期の母親の私への接し方の誤りだと、親を憎んでしまう自分にストレスを感じていた。
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Research Products
(1 results)