2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11680150
|
Research Institution | Otsuma Women's University Junior College Division |
Principal Investigator |
高橋 ユリア 大妻女子大学短期大学部, 家政学部, 助教授 (80236330)
|
Keywords | ストレス / 食 / 亜鉛 / 毛髪 / 放射化分析 / ミネラルバランス / SHR / 摂食障害 |
Research Abstract |
毛の多元素放射化分析による、生活習慣病およびストレス度などの健康チェックを目的として検討を行い、以下の結果が得られた(放射化分析 11 2000)。 1.SHRの体毛中ミネラルバランスの特徴 SHRの体毛中ミネラルバランスを検討した。Na、Kは有意に高値(p<0.01)であり、Iは有意に低値(P<0.01)を示し、これらの元素は±2σを逸脱していることが認められた。 2.摂食障害者の毛髪中ミネラルバランスと病状 ストレスが引き金で生じた重症の摂食障害者と、病状が回復した患者の毛髪中ミネラルバランスを検討した。重症患者における毛髪中ミネラルバランスでは、正常値0と比較し、Zn、As、Cl、Hg、I、K(検出不可)、Na、Seは-2σあるいは、それを下回るなど、Cuを除いて多くの元素は一側にシフトしていた。このことは嘔吐による栄養吸収低下と考えられる。次に病状が回復し、ストレスと関係するZnは-2σから-0.1σにもどり、体調が最も良好と診断された摂食障害者の毛髪ミネラルバランスは全元素が±2σ内(正常範囲)にあった。 3.ストレス度と亜鉛 有職者6名のストレスの程度を、社会的再適応評価尺度のストレス度(LCU)を用いて評価し、毛髪中Zn濃度との相関関係を検討した。相関係数r=-0.98であり、ストレス度が増加するに従って毛髪中Zn濃度は低下する傾向が認められた(p<0.01)。 以上の結果から、毛髪中ミネラルバランス変化は病状変化を示していること、毛髪中Zn濃度は社会的ストレス度を表す指標となりうることが示唆された。
|
Research Products
(1 results)