2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11680150
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Research Institution | Otsuma Women's University Junior College Division |
Principal Investigator |
高橋 ユリア 大妻女子大学短期大学部, 家政学部, 助教授 (80236330)
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Keywords | 摂食障害 / ストレス / 食 / 母親 / ストレス解消法 / 家族 / 情報伝達 / ストレスの悪循環 |
Research Abstract |
食べることと生きることとの根本的な結びつきなど、意識せずに食事をしている我々に比べ、摂食障害者にとっての「食」とは、重要な意味付けを持たせたものなのではないだろうか。そこで、摂食障害者の食概念、食行動を分析することにより、食というものが持つ様々な側面および、食がもたらすストレスについて考察を行った(体力・栄養・免疫学雑誌11-2 2001)。 (I)摂食障害者の食とのかかわり方についての、聞き取り調査により以下の結果が得られた。(1)食べ物だけに自分のわがままをだせる。(2)食べ物だけに憩える。(3)自分はなにもできないが、食べ物とのつき合いだけはできる。(4)食べ物にはつらくあたることもできる。(5)食べ物にはどのような態度をとっても、自分も食べ物も傷つくことがない。(6)食べ物を擬人化。(7)食べ物を通しての情報伝達。 (II)過食症女子短大生の手記と聞き取り調査により、以下の母親へのストレス感情が得られた。(1)過食行動の要因は、乳幼児期の母親の自分への対応である。(2)食費の浪費は、懸命に働く母に対し申し訳ない。(3)母を憎悪する自分がたまらなくいやになる。(4)仕事を理由に、私への愛情が少なかったと思う。(5)私にもっと目を向けてほしい。(6)母との仲をもう一度、やり直したい。(7)自分は本当は母が大好きである等、自分の発病原因は母親であるとし、憎悪するが、その憎悪する自分にストレス。(8)自分自身および母との間でストレスの悪循環を起こしていた。 (III)拒食症の娘を持つ母親の手記および聞き取り調査により、以下の娘や家族へのストレス感情が得られた。(1)娘の食行動の全責任は自分にあるということを認めようと努力し、自分を責めることによるストレス。(2)自分の子育て法の誤りを認めなくてはならないストレス。(3)自分自身および娘との間でストレスの悪循環を起こしていた。
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Research Products
(1 results)